武田信玄の上洛がヒントに!?

こうして百花繚乱のごとく、本能寺の変をめぐる説が咲き乱れる中、また一つ、注目すべき新説が登場した。
それが『信長の笑み、光秀の涙』(双葉社)。
小説ながら、ある公卿の家に代々伝わる貴重史料などを基に、真相を探った作品だ。筆者の辻大悟氏がこう語る。

「既存のどの説も魅力的ですが、それぞれに矛盾点や弱点があります。その弱点を、一つずつ潰していくとあるび姿が浮か上がってきます。ジャンルでいうと、謀略説に分類されるストーリーです」
残念ながら、詳細な内容まで聞くことはできなかったが、辻氏によると、真相に至るポイントは二つ。

「光秀の動機もさることながら、本能寺の変の大きな謎は、なぜ信長がわずかな人数で逗留していたのか。そこに謎を解く秘密が隠されています」
ここまでは発表されている説を下敷きにしたものだというが、ここからが辻氏のオリジナルだという。
「本能寺の変の謎を読み解く最大のポイントは、信長の比叡山焼き討ち事件と甲斐の武田信玄の上洛戦。このあたりから、謎を紐解く必要があります」(辻氏)

はてさて、そこには、どのような真相が隠されているのだろうか。

本日の新着記事を読む

  1. 1
  2. 2
  3. 3