「微差は大差に」他、セ・パ12球団監督たちの“熱すぎる”名言集の画像
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セ・リーグ編

原辰徳(巨人)
「大事なのは、監督の僕も含めて誰も神輿に乗っかってはいけないということ。乗っかれるのは勝利しかありません」
自身が「何人も侵すことのできない聖域」と表現した“巨人の4番”の座に、お世辞にも“不動のレギュラー”とは言いがたい、大田泰示や中井大介といった若手をいともたやすく座らせたことが、何かと物議を醸している原監督。
だが、監督となって以降の彼が公言してきた、最も優先すべき命題は、その就任当初から首尾一貫して「勝つべくして勝つ」という、ただ一点。チームが一丸となって勝利の神輿を担ぐためなら、自身がプライドを賭けて守り抜いた“聖域”ですらも特別扱いには決してしない。
その確固たる信念こそが、伝統を重んじ、“常勝”を宿命づけられた巨人軍を率いる指揮官としての矜持であり、彼自身が標榜してきた“全員野球”の真髄でもあるのだ。


中畑清(DeNA)
「もちろん、調子が悪いときもありました。でも、言葉の力は不思議なもので“絶好調”と口にすると、本当にそうなっていくんです」
持ち前の元気と明るさで、現役時代から“絶好調男”“ヤッターマン”の異名をほしいままにしてきた中畑監督も、その裏では、労組としてのプロ野球選手会の初代会長を務めるなど、プロ野球発展のために尽力してきた。
そして、そんないつ何時でも下を向かない有言実行の姿勢を、結果が伴わない中でも、監督自らが辛抱強く体現し続けたからこそ、筒香嘉智や梶谷隆幸、三嶋一輝といった若き逸材が続々と台頭。去年とは見違えるような、文字どおり“絶好調”のチーム状況を生みだしていると言えるだろう。
監督就任から4年。キヨシの“言霊”は今や、若手主体のチームに“DNA”レベルで浸透しつつあるのだ。


真中満(ヤクルト)
「目標は最下位脱出じゃなく、優勝」
ここ2年の低迷の元凶とも言うべき投手陣が、よもやのチーム防御率1点台を叩きだすなど、開幕直後は驚くほど好調な滑りだしを見せたヤクルトだったが、5月以降は早くも失速してしまった。
自身の就任会見で“優勝”の2文字を口にした真中新監督の想いとは裏腹に、チームはまたしても“定位置”に甘んじることになってしまった。前年最下位からのリーグVは、実現すれば史上5度目の快挙となる。
畠山、川端雄平をはじめとした強力燕打線は健在なだけに、若松監督時代の2001年から遠ざかっている優勝の二文字に期待したい!


和田豊(阪神)
「“大きく変わる”と書いて“大変”と読む。文字どおり変わることは大変だけど変わらないといけない」
和田監督もそう語るように、「変わらないといけない」ことは重々わかっていながら、思うようには変われないのが、いわば阪神の“伝統”。
たとえ監督が代わってもコーチ陣は留任するなど、他球団にも増してOBを偏重しがちな風通しの悪さは、自身も生えぬきのOBである和田監督自身が、最も痛感しているに違いない。
昨季補強したゴメス、呉昇桓の助っ人が“超優良”なこともあって、今季も「そこそこ勝てる」状況にはなっているものの、“大変”なのは、まさにこれから。すでに10年遠ざかっている優勝には多くの困難も待ち受ける。


谷繁元信(中日)
「落合(博満)さんと出会ったときいきなり“そんなにノンビリしていていいのか”と言われ戦いが始まりました」
まさかの3連敗を喫して、竜ファンを絶望的な気持ちにさせた開幕戦からは一転、吉見一起らの復活やドミニカ勢の奮闘、遅咲きの“青ゴジラ”福田永将の覚醒なども重なり、見事に持ちな直し感のある谷繁ドラゴンズ。
だが、選手としては野村克也氏の持つ史上最多出場記録の更新という偉業を成し遂げた大ベテラン・谷繁兼任監督も、監督としてはまだまだ若手。落合GMからの静かなるプレッシャーとの“戦い”に終わりはない。


緒方孝市(広島)
「試合が終わればユニフォームが真っ黒に…そんな選手でありたい、そうありたいと最後の最後まで思っていました」
他球団から移籍した選手たちは、その練習のキツさにまず驚愕するというほど、とにかく泥にまみれるのが“カープイズム”。それを最も体現してきたのが、91年のリーグ優勝を知る緒方監督らの世代だろう。
黒田博樹が電撃復帰を果たし、同じ年にFAで出て行った新井貴浩までもが復帰した今季は、そんな古きよきカープの“復活”にも絶好のタイミング。泥にまみれてでも、高まる優勝の気運に応える監督の気概を見たいところだ。

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