騙されてるのに気付かない!?「住宅リフォーム詐欺」の巧妙さの画像
騙されてるのに気付かない!?「住宅リフォーム詐欺」の巧妙さの画像

「中古住宅を買って内装を新しくしたい」「年老いた両親のためにバリアフリーにしたい」といった理由から、住まいのリフォームを手掛ける家庭が増えている。自治体によっては補助金が出るケースもあり、それが後押している側面もあるようだ。

実際のところ、戸建て住宅の新築着工数は右肩下がりを続けているが、リフォーム市場は拡大傾向。2010年は5.9兆円だったのが、12年には6.3兆円、15年は6.7兆円、さらに5年後は7.5兆円に達する見込みだという(矢野経済研究所調べ)。

一方、これに伴い相談・被害も増えているのが「リフォーム詐欺」だ。

PIO‐NET(全国消費生活情報ネットワーク)に寄せられたリフォーム工事(屋根工事、壁工事、増改築工事、塗装工事、内装工事)に対する年間相談件数も、2010年は6058件だったのが、13年は7291件、昨年は6817件と、何かとトラブルの温床になっているようだ。

途中で騙されていることに気付けばまだいいが、中には騙されていることに気づかず工事が行われ、高額の代金を支払っている消費者も少なからずいるという。

なかでも目立つのは、訪問販売によるリフォーム詐欺だ。
例えば、こんなパターンが……。

都内在住のAさん宅に「工事実績作りの地域限定キャンペーンをやっています!」と、訪問業者が訪ねてきたそうな。「外壁がボロボロですよ。ウチは独自の資材で安くできます」という言葉に促され見積もりをしたところ、そのお値段は50万円。

業者に「特別価格なので即決を!」とその場で迫られたAさんは、いったんは工事を依頼。しかし、金額が高く感じたので、念のため違う業者で別途見積もりをとったみたところ、20万円という金額が返ってきたそうだ。

Aさんは後日契約を解除したが、この業者は支社もたくさんある会社で、営業担当も怪しいところはなく、まったく「悪徳」っぽい印象は持たなかったとのこと。「別業者の見積もりを見てはじめて、『あっ騙されるところだった!』と感じたほどです」とAさんは振り返る。

他にもこのようなケースは例を挙げればキリがない。

相場の倍近くの見積もりや請求はザラ。介護保険を使うと負担が軽くなるというので、自宅の手すりとドアノブの交換を依頼したところ、業者が介護保険の手続きをしないで強引に工事をしてしまい、高額の支払になった。契約時の書面に不安な点があり、クーリング・オフをしたが、業者から書面の受け取りを拒否された……などなど、悪徳業者と被害者のイタチごっこは収まる気配がない。

一見すると、ダマされているかどうか判断しづらいリフォーム詐欺。だからこそ厄介なのだが、トラブルに遭わないためにも、次の点を注意することだ。

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