データ予想 須田鷹雄
前走大敗も軽視禁物ベルーフ


小倉記念は、過去10年の出走全馬を均等買いした場合に、回収率が単複とも90%台になる(通常は80%前後)という、波乱傾向のあるレース。その裏にはいくつかの理由がある。

最大の理由は、「ちょうどGⅢレベル」という馬があまり来ないことだ。前走クラス別成績で見ると、前走GⅠかGⅡに出走していた馬は勝率・複勝率もかなり高く、回収率は単複ともにプラスとなっている。

一方で前走で条件戦に出走していた馬も、単穴こそ出していないものの複勝回収率はプラスとなっている。ところが、出走馬の半数以上を占める前走GⅢ組は回収率が単55%.複74%。その次に多いオープン特別組に至っては〔00221〕で連対していない。

もう一つポイントとなるのが、ローカル小回りであっても逃げ粘りがきかないということだ。過去10年、ハナを切った馬は〔00111〕。10年で12頭いるのは2頭雁行の形があったためであるが、いずれにしても昨年のメイショウナルトが3着しているだけ。2~4番人気に推された馬が計6頭いて物足りない。
成績的は小倉記念で好位に行った馬が強いのだが、前走でも逃げ・先行という馬はそれほどでもなく、馬券的に一番良いのは「前走差し・今回先行」という形だろう。

もちろん今回どの馬が好位に行くかは騎手の腹づもりによることなのだが、「先行にも含みが残る脚質だが、前走は差しに構えた馬」というのが良いパターンである。
特に今年はまたメイショウナルトが出走するため、スローにはならない。スローの前残りで好走してきた馬はダメで、消耗戦に耐えられるタイプがいい。

この原稿を書いている時点の想定馬で、前走GⅠかGⅡに出走していた馬といえば、◎ベルーフと▲オーシャンブルー。特に◎は面白い存在だと思う。
過去10年で3歳馬の出走は2例しかないのだが、そのうちの1頭であったラブリーデイは5番人気で2着している。
ラブリーデイもクラシックでは、掲示板に載れなかった馬。皐月賞大敗のベルーフだからといって、格の面で足りないということはない。

前走条件戦組からは、先行して勝ってきた馬ではあるが○ノボリディアーナ。どちらかというとワンペースの競馬が向く馬なので、超スローになることはなさそうな今回のレースは向いているだろう。

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