なるほど、これがあったか!

プロレスファンなら誰もがポンと膝を叩き、もう楽しみでならないニュースが先月飛び込んできた。8月22日、あのWWEの「NXT」に獣神サンダー・ライガーが登場する。

NXTは、WWEの「SMACK DOWN」「RAW」に続く第3のブランド。そのビッグマッチに我らがライガーが出場する日が刻一刻と迫っている。ライガーに熱狂する観客の様子がもう想像できるからワクワクしてしまう。

ライガーは平成元年に東京ドームでデビューした。つまり、文字通り「平成新日本」の象徴なのである。ぜんぶ身を持って知っている。

象徴の意味はキャリアだけではない。ライガーは新日本の会場にハッピー感をもたらした功労者だ。マスクを被っていても「表情」がみえるライガーは決して神秘的ではないけれど、その代わり常に人間臭さを感じさせてくれた。ライガーは決して常勝チャンプではないけれど、その代わり常に周りの人間の凄さも教えてくれた。プロレスを見ることの嬉しさのひとつにハッピー感を加えてくれたライガーなのである。その証拠にライガーのテーマが鳴るや老若男女がウキウキしてしまうではないか。間違いなく今の新日本プロレスの礎をつくった。

私は先月「Number」プロレス特集号で「プチ鹿島責任編集」というページを担当させてもらったのだが、そこでライガーさんと座談会をさせてもらった。出会った頃からプロレスを語ってきたハチミツ二郎と一緒に。

ライガーさん曰く、今の新日本はホントにすげーと。そして「今の新日の選手は、自分のことよりも先に新日のことを考える」と語ってくれた。たとえば棚橋にしろ真壁にしろ、自分が世間に露出することで新日に還元できるよう頑張っているのだと。それはバラエティで自ら活躍するライガーさんの姿そのものでもある。バラエティに出ているときのライガーを見るときのプロレスファンの安心感たるや。「ライガー、任せたぞ!」とみんな頼もしく思っている。

そんな伝道者的な雰囲気も持つライガー。考えてみれば、WWEのトップに登りつめたクリス・ベノワ(ワイルドペガサス)やエディ・ゲレロ(2代目ブラックタイガー)もライガーと切磋琢磨してビッグになった。

この人がメジャーに行ったら面白いだろうなぁという実力と、絶対にハマるだろうなぁというキャラクターの確信。この二つを備え持つライガー。「なるほど、これがあったか!」と冒頭で書いたのはそういうワケです。

8月22日が楽しみだ。


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