美和 日本とロシア、組むのは民族性の違いとかないのですかね?

宗男 この国際化の時代。もう“国境線がない”時代じゃないでしょうか? 地球はひとつ。アメリカとロシアが喧嘩していても、宇宙船の中では仲良くやっているじゃないですか!私はこれが平和の象徴だと思いますよ。それともうひとつ大事なことは、歴史文化なんですよ。ロシア人が一番警戒する民族はどこか?こういうのを今の政治家は勉強していないし、わかっていませんね!

美和 はぁ…。

宗男 ロシアは中国を一番警戒しているんです。それはなぜかというと、国境線が4,000キロもありますから。その国境線の中国側には1億1千万人いる、ロシア側はたった700万人しかいない。何かあってドッと入られたら終わっちゃうんです。だからロシアは中国を警戒しているんです。ロシアのひとつの価値観なんですね。ロシアの国民性というのを、日本の政治家はあんまり理解していない。併せて日本がダメなのは、ソ連=ロシア、と思っている人がいる。ソ連共産主義と、自由と民主のロシアは違うんですよ。それをみんな一緒くたにしていますね。これはいけません。

美和 ロシアと組んで、具体的にはどんなことをしていけばいいのですか?

宗男 日本のウイークポイントはエネルギーなんですよ。アメリカに依存しているから、アメリカの従属国家と言われるんですよ!しかし、世界で一番エネルギーを持っているのはロシアなんです。

美和 強いですね、そこと組んだら日本も。

宗男 だから、そこと組むことが日本の国益だということを今の政治家は“頭に虫が入っていて”わかっていない!

vol.39-6

編集 リスクヘッジという意味で、ロシアと組んだりエネルギーの確保をするのはいいと思うんですけど、ロシアに依存してしまうと、ある意味交渉や脅しのカードに使われたりという心配は?

宗男 それも私に言わせれば“頭に虫の入っている”人の考えなんです。勉強していないんです。天然ガスのバルブ止められたのはウクライナだけです。じゃあなぜウクライナはバルブを止められたのか?それは借金を払ってないからですよ。

美和 ロシアに対しての?

宗男 ロシアだってちゃんと契約通り金を払えば(エネルギーを)流すんですよ。

美和 中国人の「爆買い」は、ありがたく受け入れる!土地や会社が買われたって、それは自由経済だからしょうがない。時代が変われば日本人だってそうだった。また、ロシアと組めばエネルギーの確保もできて、日本の経済力もまた復活すると!

宗男・美和 ズバッと一刀両断「ムネオ先生に訊け!」

キメ



鈴木 宗男(すずき むねお)プロフィール
1948年1月31日生まれ
政治家。北海道出身。拓殖大学政経学部在学中より、故・中川一郎元衆議院議員の秘書を務める。1983年に自由民主党より出馬し、衆議院議員に初当選。防衛政務次官、外務政務次官などを務める。
また1997年には国務大臣として北海道開発庁長官、沖縄開発庁長官を歴任。2002年に自民党を離党。
2005年には新党大地を結成。代表となり、その年衆議院議員に返り咲く。防衛・外交の論客として鳴らす一方、その人情味溢れ、愛されるキャラクターは、歌手の松山千春をはじめとしてシンパが多数。ムネオの愛称でも知られる。
娘は衆議院議員の鈴木貴子。

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