チャクリキ代表 甘井もとゆきのファイティングスポーツはサイコー!
第2回「大衆のスーパースター、ボブ・サップ」




ザ・ビースト、ボブ・サップ選手が人気選手である事は今さら敢えて言うまでもなく、誰もが知っている事でしょうが、私はその人気の質の違いを常に感じます。格闘技ファンなら、「サップ選手より○○選手が好き」などと、マニアックな意見も出るでしょうが、ボブの人気はジャンルを超越しており、老若男女の全てに受け容れられている所が凄いのです。
こうした選手は何十年に一人出るかどうかの特別な選手だと思います。例えるならWWEで言えばハルク・ホーガン選手であり、Jリーグで言えば三浦知良選手でしょう。その選手自身がそのジャンルの代表としての強力な広報力を持っており、特定ジャンルのアイコン的存在とまでなっていると思います。

当然現在のWWEやJリーグの中心選手はハルク・ホーガンや三浦知良ではありません。でもそれ程マニアックにそのジャンルを注視しない者にとっては、WWEはホーガンであり、Jリーグはカズなのです。
しかし、WWEやJリーグがそうしたアイコン的存在をここ一番で上手く使っているのに比べて、格闘技業界はボブ・サップ選手の使い方が非常に下手なように思うのです。

そうした疑問をボブ・サップ選手を鍛えた師匠である新日本キックの伊原信一会長にぶつけてみた所、
「それは嫉妬だよ甘井君。みんなボブの人気に嫉妬したんだ。あれだけ人気があったのに潰すような使い方をしたんだなぁ。勿体無いな」
と答えてくださいました。

流石に慧眼。100%とはいかないまでも、かなり的を得ている見方だと思いました。
格闘技業界関係者の嫉妬を買う程凄かった人気。その源泉は並外れたサービス精神とプロ根性に起因すると私は思います。実は何度も私はボブ・サップ選手に助けられています。
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