藤浪が森の"阪神入団"を画策

藤浪の投球の生命線は、197センチの長身から繰り出されるストレートだ。前出の里崎氏は、
「スピードボールを投げられるのが一番大きい。いいストレートを持っているから、三振が取れるんです」
と分析する。

高校時代に藤浪の球を受け続けてきた森も、
〈高校の時から、ケタ違い。高校生はもう、かすりもせえへんくらい。プロ入っても、真っすぐでどんどん押していっているのが、すごいなと思いました。破壊光線みたいな最強の武器じゃないかな〉(『スポーツ報知』2015年1月1日号紙上での藤浪との対談より)
と、その威力を表現する。

お互いを認め合う藤浪と森の関係は先輩後輩という枠を超えているようで、7月18日に揃ってフジテレビ『すぽると!』に出演した際に藤浪が、
「森さんに打たれたら何言われるか分からないので、打ち取れてよかったです」
とコメント。先輩なのに、森に"さん付け"なのか? と問われると、
「いや冗談です。でも、それくらいの態度なもので」
と返した。一方、藤浪を何と呼んでいる? と聞かれた森は、
「藤浪さんです。ちゃんと先輩なので」
と答えたが、重ねて、心の中では? と聞かれ、
「晋太郎」
と、爆笑をさらった。

「とにかく、特別な絆があるのは間違いない。藤浪は、阪神の球団社長に森の入団を"ゴリ押しした"と自ら語っています。森の阪神入りは叶いませんでしたが、別な形でのバッテリー復活は十分あるでしょうね」(スポーツライター)

13年9月、U-18(18歳以下)AAA世界野球選手権大会決勝のアメリカ戦、日本は2-3で敗戦。主将の森は、最後の夏の甲子園、3回戦で明徳義塾に敗れたときにも見せなかった涙を流した。
「甲子園とは違って、今回は日の丸を背負っている。アメリカには、上の舞台でリベンジしたい」その舞台こそ、日本代表、侍ジャパンとなるはずだ。
「侍ジャパンの最終的な標的は17年WBCでの世界一奪還です。森も、そこでアメリカへのリベンジを果たしたいでしょう」(ベテラン野球記者)

11月の国際大会『プレミア12』での日本代表第一次候補に、藤浪、森はともに選出されている。
森は前述のテレビ番組で、藤浪に期待することとして〈侍のエース!!〉という言葉を掲げ、先輩にこうエールを送った。
「日本代表として、またエースで、ぜひ投げてもらいたいと思ってます」

そして"その球を受けるのはオレしかいない"と、心の底から思っていることだろう。

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