Mr.夏男・蝶野正洋が振り返る25年「G1は続かないと思ってた」の画像
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記念すべきG1第1回大会優勝者にして、いまだに破られることのないV5の偉業……G1クライマックスと言えばこの男抜きに語ることはできない。先日発売となった、重要人物たちの証言によって“新日本プロレス G1 クライマックス”の本質に迫ったムック「逆説のプロレス vol.2」から、夏男・蝶野正洋と永島勝司の対談をお届けする。


■蝶野正洋 ちょうの・まさひろ
●1963年、東京都三鷹市出身。84年、新日本プロレス入門。同年10月、越谷市民体育館における武藤敬司戦でデビュー。87年に海外遠征し、帰国後は闘魂三銃士として活躍。G1クライマックスは第1回をはじめとして前人未到のV5を達成している。nWoジャパンを設立して一大ムーブメントを起こし、その後TEAM2000を結成。92年にNWA世界ヘビー級王座、98年にIWGPヘビー級王座を奪取。2010年からフリー。

■永島勝司 ながしま・かつじ
●1943年、島根県出身。88年新日本プロレス入社。渉外・企画宣伝部長を経て取締役に。現場監督の長州力とともに団体を牽引。第1回からG1クライマックスをプロデュース。2002年2月に新日本を退社。


蝶野 まず、1回目のG1で両国3連戦をやると聞いた時は、どうせ続かないだろうと思った。それまで、両国2連戦(87年8月19~20日、サマーナイトフィーバー・イン・国技館)とかはあったけどさ。まさかG1が今年で25周年を迎えるようになるとはね。最近G1関連でよくインタビュー受けるけど、本音を言えば1回目の優勝も2回目の優勝も、それで時代を動かしたという気持ちは俺自身にはなかった。

永島 G1では、その頃の蝶野みたいに、くすぶってる選手に光を当てたいという気持ちが俺と長州(力)にはあったんだよ。連覇に関しては、それは蝶野の持ってる土台。橋本(真也)なんかはやっぱりムラがあるわけよ。ただ、長州とは、その日の方針に関して両国に着いてからでも揉めることが多かったね。長州はオーソドックスなのが一番いいの。ド真ん中ってヤツか(苦笑)。俺は逆で、客に対して意外性を出さなきゃ、と。テレビのゴールデンと、東スポの一面の違いみたいなもんだね。俺たち二人の延長線上に蝶野の優勝があったと言ったら、言い過ぎかもだけど。

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