新日本以外にも様々なリングに参戦しているカブキ。特に、かつて最大のライバル団体だった全日本、巨大な資本力で業界をおびやかしたSWSにも参戦していた経験から、新日本に対し独自の視点を持っている。

――G1クライマックスと全日本のチャンピオンカーニバルに違いを感じますか?

カブキ チャンピオンカーニバルにはある程度できあがった選手が出るけど、G1にはこれからの選手が出る。だからG1では、若い選手がどんな試合をするんだろうっていう興味が湧きますよね。できあがった選手たちがリーグ戦をやったって、意外性はないじゃない?

永島 いいこと言うなぁ。第1 回で蝶野が優勝するって時に周囲は反対したけど「いいから信じろ」って強行した。連覇した時は「嘘だろ」ってみんな目を丸くしてたな(笑)。

カブキ だからG1にはファンがつくんですよ。今年も何か起こるだろうって。

――かつての全日本で、たとえば武道館3連戦というのは実現できなかったですか?

カブキ 難しいね。全日本プロレスというのは野球チームなんですよ。馬場さんはかつていた読売ジャイアンツのような団体にして、ナベツネ(渡邉恒雄氏)になりたかったんじゃないかな。

永島 馬場さんとは仲良かったんだろ?

カブキ 悪くはなかったですよ。でも、元子さんが来てから団体がグチャグチャに(笑)。

永島 俺、元子さんとの関係長いんだけどね。

カブキ 絡まないからいいんですよ。

――全日本を離れて行ったSWSでは、永島さんと同じくマッチメイカーを務めましたよね?

永島 ええっ!?  知らなかった。

カブキ SWSはみんな自己中心的でね。ジョージ、俊二の高野兄弟なんて最悪でしたよ。

永島 あの二人ね(笑)。そうそう、SWSには武藤が引き抜かれそうになったんだよ!

カブキ 息子には来てほしかったんだけどね。

――SWSには北尾光司もいました。お二人が手を焼いた共通の人物では?

永島 新日本では長州に差別発言をして解雇。

カブキ その後、ウチでは使い道がないって反対してたんだけど、天龍との相撲つながりで入ることになって。そしたら例の「八百長野郎」ってマイクでやらかして。

永島 そんなことあったのか。俺が最初に使ったのは間違いだったな(笑)。

カブキ 恨みますよ(笑)。

――最後に、カブキさんは今年の1・4ドームの第0試合にも出ていますが、いまの新日本の印象は?

カブキ 若い選手が多くていいんじゃないかとは思うけど、お客が喜ぶことばかりを考えて試合してるように見える。さっきも言ったように、お客が前のめりになってくれるような試合をしないとね。ブームはいつか去るから。


※全文の一部分を抜粋。全編は本誌「逆説のプロレス vol.2」にてお楽しみください。

取材◎若瀬佐俊

徹底追跡、大特集。新日本プロレスのG1クライマックスの25年間の全事件に迫った「シリーズ 逆説のプロレス vol.2」絶賛発売中!

「新シリーズ 逆説のプロレス vol.2」(双葉社スーパームック)より引用

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