夏になるとかゆくなる……水虫の季節である。水虫が白癬菌という、いわばカビの一種というのはご存じだろう。なかなか治らず苦労している人も多いと思うが、ネットで見つけてビックリ！ 台所用の漂白剤で水虫が治る？
［風呂で使う洗面器にキッチンハイターをキャップ半分程度入れ、水道水を満たして足を入れて下さい。 時間は１分から５分間ぐらいで大丈夫です。これを毎日やってみて下さい。 恐らく３日目辺りには効果が出ます］
……やめて、お願いだからやめて。足の裏がボロボロになりますよ。いいですか、そもそもですね、水虫かどうかをどうやって判断するのか。かゆいから？ かゆいだけなら異汗性湿疹という、水虫と同じようにかゆくなるが水虫ではない病気があり、ニセ水虫と呼ばれている。これには水虫の薬はまったく効かない。むしろ悪化する。水虫には抗菌剤だが、異汗性湿疹はステロイド剤じゃないと治らないのだ。
皮膚科の出す水虫用の薬は劇的に効く。以前、皮膚科の取材をした時に、いわゆる民間療法にある木酢や茶殻で水虫は治るのかを聞いたことがある。しかし医療用抗菌剤の殺菌効果は、木酢や酢の１万倍。勝負にならない。アロエや茶殻も効かない。逆に肌がかぶれて、皮膚科に行くことになる。皮膚を薄く剥げば治ると、夏の砂浜を素足で歩くという人もいるそうだが、ハイターはこれと発想が同じだろう。結果、ヤケドをして治らずに苦労する。ハイターの場合は薬傷なので、さらに治りにくいだろう。
水虫が薬で治らないというのは、数十年前の話。今の抗菌剤は強力だ。基本的には市販薬と医療用は同じだが、医療用には香料やかゆみ止めが入っていない。市販薬で治らない人の場合、添加されている成分で皮膚がただれ、悪化することが多いのだ。
民間療法で治るなら、とっくに医療が取り入れている。たとえばがん治療もそうで、キノコが効く効かないについては、結論が出ている。キノコは効くが、量の桁が違う。ちょっと煮出したぐらいではまったく効かないのだ（キノコ由来の抗がん剤はすでにある）。
面倒くさがらずに医者に行く方が、薬局で何本も水虫薬を買うより何倍も安上がりで治りも早いのだ。
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