なぜ8月なのに「10月号」? 雑誌の号数が発売日より先になっているワケの画像
なぜ8月なのに「10月号」? 雑誌の号数が発売日より先になっているワケの画像

雑誌を買ったとき、表紙や背の「号数」が未来の日付になっていること、たとえば月刊誌なら8月に「10月号」が、週刊誌なら8月15日に「8月30日号」が発売されていることを、不思議に思ったことはないだろうか?

これは、競合誌より情報を先取りした印象にして、雑誌の“鮮度をアピール”するため。遠隔地では「週刊誌」などの発売日が首都圏と比べて2日ほど遅れてしまう“物流事情”による理由などがある。
また、書店は書籍・雑誌を出版社が決めた小売価格で販売しなければいけない、「再販制度」という“出版業界独自のシステム”にも大きな理由がある。「再販制度」を守る代わり、一定期間が過ぎても書籍・雑誌が売れなかった場合、書店は商品を出版取次に返品することができる。雑誌の返品の目安が「号数」であるため、一日でも多く店頭に並べておいてもらうためなのだ。

このような理由から、出版社同士で競って「号数」を先へ進め、発売日とあまりにもかけ離れてしまう事態が生じてしまったため、日本雑誌協会のもと協定が結ばれ、「号数」の先付表示のガイドラインが以下のように決まったそうだ。

「週刊誌」
→発売日から15日先まで

「旬刊誌(じゅんかんし、10日に1回発行する雑誌)・隔週刊誌・月2回刊誌」
→発売日から1か月先まで

「月刊誌・隔月刊誌」
→発売日から40日先まで

「季刊誌」
→発行期間を示す季節(その季節を表す文字)

「増刊号」
→発売日から40日先まで。ただし、月刊誌・隔月刊誌・季刊誌の増刊は本誌に準じる

ちなみに、『日付以外は全部嘘』と言われている東スポこと「東京スポーツ」だが、夕刊紙であるため、翌日の日付で発行されている。つまり、発売日に購入した読者にとっては、未来の新聞に見えてしまわうわけで、『日付だって嘘』なのである。

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