重症化も!「キス病」は夏の終わりにご注意の画像
重症化も!「キス病」は夏の終わりにご注意の画像

花火のような恋、酔った勢いでキスした暑い夏の思い出……ロマンティックだが、科学的にはホラーである。口の中が細菌だらけという話は耳にしたことがあると思うが、歯をよく磨く人で1000~2000億個、ほぼ磨かない人は1兆個も細菌が生息している。便1グラムに細菌は100万個前後なので、最低でも便100kg相当の菌が口の中には繁殖しているわけだ(もちろん細菌の種類はまったく異なり、多くは口腔内の健全なバランスに役立っている)。つまりキスをすると、この細菌が右から左へ移動するのだ。ミクロで見たらこれはホラー。人間の目が悪いことに感謝した方がいいだろう。

これだけの数の細菌がいると中には強烈なものもいる。虫歯の原因のミュータンス菌やソブリヌス菌が親子間のキスや食べ物、食器によって感染することは良く知られている。ウイルス性のヘルペスや口内炎も感染するし、風邪もウイルスによってはキス程度でも感染する。

最近、注意が呼びかけられているのが通称「キス病」、伝染性単核球症というヘルペスの一種だ。EBウイルスにより唾液感染し、リンパ節を腫らす。発症した場合、発熱や食欲不振、ひどくなると肝臓にダメージを与えるため、ちょうど肝炎のように白目が黄色くなる黄疸が出る。成人ではあまり発症しない(多くの人がキャリアなのだ)が、疲れや寝不足がきっかけで発症することもある。発症すると半分以上の人は肝臓が腫れあがり、高熱が続いて即入院、絶対安静を言い渡されてしまうのだ。

口腔といえば、性病が口腔に感染する例も。喉にクラミジア、口元にヘルペスが感染する。性器から口へうつるわけだ。喉が腫れたり、発熱したりする。もちろん逆に口から性器に性病が感染することもあるので注意したい。

火遊びは結構だが、お互いに清潔で健康であることが大事。歯はきちんと磨きましょう。

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