美和 まだまだ暑いですが、もうすぐ秋。時が過ぎるのは早いですね~。それはそうと、宗男先生の公民権停止処分が解けるのはいつでしょうか?

宗男 あと1年8カ月です。

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美和 その暁にはお祝いですね!では、本日のお題です。2020年の東京オリンピックまで5年を切りました。ここにきて「新国立競技場の設計を白紙にしてやり直す」ということなんですけど、デザイン選定~建設費高騰問題。屋根の規模縮小→白紙撤回に至るドタバタ劇の経緯など。ズバリ!どう思いますか?宗男先生が考える「適正建設費」「どのような競技場がいいか」などをお聞きしたいと思います。

宗男 流線形というか、奇抜なデザイン。注目には値はするけれど、少なくともお金の掛かる形であることは、素人眼に見ても分かりました。

美和 あの曲線の屋根の感じですよね?

宗男 ホテルなんかの建築を見ても、丸い円形の建物はコストが高くついて、四角ばった物は安くできますよね。選考過程の中では1300億ぐらい~1500億円ですか?それが一挙に倍。それはちょっと甘かったかなと思います。ただ、後で判ったことは、ザハ・ハディドさんが設計したものが、韓国でもトラブルが起きているんです。当初予算の倍以上掛かったりして。そこらへんはもっと慎重に選ぶべきですよ!日本だって56年ぶり。一世紀に一回あるかないか。日本の文化だとか日本の伝統なんかをね、世界にアピールする絶好の機会なんですから。日本にも立派な建築家がいるはずだから、そこらへんを考えてやればよかったんじゃないかなと。

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美和 やはり、所管というか責任の所在がわからないところがいけなかったのですかね?

宗男 いえいえ、文部科学省が監督官庁なのですから! 文部科学省の責任は重いと思いますよ。

美和 斬新なデザインに嵩む費用。皆さん誰もが自分のお金を出して自分の家を建てる時は「憧れはこんな家だけどコストがかかるなぁ~」とか、貯金通帳やローンの書類をにらめっこしますよね?“国民の大切な税金を使う”という感覚が、低下していたのではないでしょうか??文部科学省の局長が辞めて、それを役所や政府は「更迭」とか言わないのも怪しさが増しますよね。あと、下村大臣の対応はどうですか?

宗男 説明不足もあるし、下村文科大臣が舛添東京都知事とぶつかっちゃいけませんよ! オリンピックは東京都がメインですから。日本国で開かれるけれど開催都市は東京ですから。主催地である東京の知事と文科大臣がぶつかっちゃだめですよ!!

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美和 残念ながら“大臣はお飾り”という感じがしてしまいますね。建設費がどんどん膨らんでいった時も、皆さん責任を押し付け合っている感じがしませんか?安藤忠雄建築事務所も「知らないよ」とか…。

宗男 “知らない”というのは正直な話だと思うんです。そもそも不透明なやり方がまずいんです。文部科学省の責任なんです。メディアで組織委員会の責任を指摘しているけど、組織委員会はこれに口はさんでいないんですから。よくW杯ラグビーが問題にされますが「W杯ラグビーがあるから新国立競技場」じゃないんですよ。W杯ラグビーは、日産スタジアムで決まっていたんだから。それを逆にオリンピックが決まった、新国立競技場を造る。ラグビーも乗っかってくれ、協力してくれということで、森元総理が協力したんだから。責任問題とか言われるけれど、森元総理が大変迷惑しているのがわかる。森元総理がうまい説明したよ。「クラウンに乗っていたのに、途中からセンチュリーに乗り換えろ。と言われて乗ったらパンクしてしまった。」ってね(笑)。

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編集 そうだとすると、途中から「降りろ」と言われたようなものですよね。
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