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インプラントには重大なリスクがある!

「いい加減な歯科治療が、病気をつくっている!」と告発する、現役歯科医師、篠原裕之先生。今回のテーマの最後は、いま話題のインプラント。ですが、この治療には大きなリスクがある!というお話。インプラントが怖くなる~!

抜けた歯の代わりに、チタンやジルコニアなどの人工歯根を顎の骨に埋め込んで、人工歯をはめ込むインプラント。義歯のように取り外す必要がなく、ブリッジのように両端の健康な歯を削る必要もない。最先端の(?)、圧倒的人気を誇っている治療法です。

「いま、多くの歯科医院で行われています。患者さんからの希望も多い。しかし、私はオススメしません。じつに多くの問題を見過ごしにしているからです」という、『篠原長寿歯科』院長、篠原裕之先生。

まず最初の大きな問題は、ほかの病気の手術となんら変わりない手術なのに、ふだんの診察台の上で行われていること。

「いくら診察台や治療器具を滅菌しているといったって、あまりにレベルが低すぎます。海外ではもちろん、日本の大学病院では、空気、水、手袋、衣服まで徹底して滅菌した手術室で行われているのです」

インプラントには、歯根膜(歯と顎の骨をつなぐ繊維性組織)がありません。埋め込まれたインプラント周辺には血液が流れていないので、白血球やリンパ球の供給もなく、感染に弱いのです。インプラントの周辺で炎症が起きると、防御機能が働かない。血液がないから薬も届かない――。

「こうならないためにも、手術中の厳重な衛生管理が必要なのです。そして、その後は、定期的なメンテナンスです」

口腔内のメンテナンスは、年齢を重ねるほど必要だといいます。抵抗力が弱くなり、感染にも弱くなるからです。介護が必要になれば、口の中の汚れや感染症は、誤嚥性肺炎の原因にもなります。

「こうしたインプラントのリスクを、歯科医は説明しているでしょうか?」

日本では、インプラントメーカーの講習会を数日受ければ、すべての歯科医がインプラントを行うことができるのだそうです。一般の診察台での手術は、法的にも道義的にも問題なし。

「本来は、糖尿病や高血圧、脳卒中や心疾患など、全身の健康状態を診ないといけない“手術”。術後は傷が治り、安定するまでに、数日から数週間、痛みや違和感を覚えます。術後のケアができる医師もとても少ない。インプラントは下の歯のほうがカンタンなので、下しかやらない医者も多いのです。お金儲けしか考えていない。こんな医師に任せられますか?」
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