インプラントをすると、噛み合わせが低くなる

「インプラントには、まだ問題があります。歯根膜がないので、そのぶん天然歯よりも15ミクロンとか、20ミクロン沈んだ状態で入れることになります。噛み合わせが低くなるのです。歯根膜はクッションの役割も果たしていて、噛むときの力加減を調節しています。以前と同じように食事をすると、顎の骨や筋肉を傷める可能性があるのです。噛み合わせがズレた状態だと、ダメージはさらに大きくなります」

前回の快眠外来で、歯科治療によって噛み合わせがどんどん低くなり、ズレていき、体調不良を引き起こしているかも……という現実を知ったいま、そんじょそこらの歯医者さんでインプラントをしてはいけない――。

眠りの女王ヒサコは、数年前のことを思い出しました。

通っていた歯医者さんから、奥歯の抜歯とインプラントをススメられたのです。迷ったけれど、保健適用外の高額治療費に卒倒して、脱走したのでした。あの選択は間違いじゃなかった!!

「インプラントがまったく必要ない、とはいいません。でも、安易にやってはいけない。先々のことも考えてほしいのです。どうぞ、信頼できる歯科医を探す努力を惜しまないでください」

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篠原裕之/しのはらひろゆき
「篠原長寿歯科」(大阪市)院長。歯学博士。1960年、内科開業医の長男として生まれる。’87年朝日大学歯学部卒業、91年同大学院(顎顔面外科学)修了。大学院時代に病気と戦う現場を経験し、「延命」について考える。2003年、須磨厚夫氏より、ヒトのあるべき噛み合わせを伝授される。歯科医療の現実を憂い、『歯科医が病気をつくる』(あさ出版)を上梓したばかり。日本抗加齢医学界認定医、日本口腔外科学会、日本口腔ケア学会、日本癌学会正会員。

篠原裕之・著 『歯医者が病気をつくる』1404円(税込)あさ出版

頭痛、肩こり、腰痛、冷え、不眠、うつ…心身の不調が、歯科治療によってもたらされているかもしれない。寝たきりや胃ろうを減らし、最後までイキイキと暮らすための「口腔ケア」の必要性を訴える。今の歯科治療に警鐘を鳴らす、一冊。



(取材・文/眠りの女王ヒサコ)

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