世の中は噓八百とお約束だ!

だが、まだ大らかだった久米時代と違い、現在は一つの発言が、番組の存続を揺るがしかねない"クレームの世の中"。さらに自主規制にがんじがらめにされ、自由な番組作りなど許されない時代なのだ。
「実際、古舘は昨年4月、報ステの10周年パーティで、"早河社長から好きなようにやってくれ。何の制約もないからと言われて始めたんですが、いざスタートしてみると制約だらけ。今では原発のゲも言えない"と挨拶したといいます」(前出の夕刊紙記者)

その一方で昨夏、報ステが始まって以来、約10年ぶりに、雑誌『AERA』でインタビュー取材に応じ、このように語っている。
「世の中って噓八百で成り立っているし、ホントのところは新聞も雑誌もテレビも伝えないし、たまに言外に漂わせたり、匂わせたり、スクープで追及したりってことはあっても、ほとんどがお約束で成り立っているわけですね。プロレスですよ、世の中。完全にプロレスです。(中略)裏のことを、ちゃんと報道ステーションの中で言える範囲で伝えなきゃならない」

77年に、テレビ朝日にアナウンサーとして入社した古舘はすぐに頭角を現し、同年の7月には当時、アントニオ猪木全盛時代の新日本プロレス中継『ワールドプロレスリング』の中継アナウンサーに抜擢。"過激なアナウンサー"として新日マットを盛り上げた。

その後、フリーになって活躍の場を広げた古舘に、弟子入りを試みたこともある、お笑い芸人のユリオカ超特Q氏は、「古舘さんは今でも本質は、"過激なアナウンサー"なんだと思います」と、こう続ける。
「古舘さんの中には、プロレスイズム、猪木イズムが色濃く刻み込まれているんでしょう。お約束の中にあっても、怒りや哀しみのエッセンスをチラリと見せて視聴者を引き込む、高度なプロレス流の番組進行で、気づかぬうちに見る者に、世の諸問題を突きつけているような気がします」

我々は、そんな古舘とともに、安倍政権を監視していく必要がありそうだ。

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