消費増税で年10万以上負担増

その一つが、"正社員ゼロ法案"とも呼ばれる労働者派遣法の規制緩和だ。
これまでの無期雇用派遣についていた常用代替防止の原則(正社員を派遣労働者に置き換えてはいけないとの原則)を取っ払い、派遣期間の制限を一切なくすとしたのだ。
「現在、低賃金・不安定雇用の非正規労働者は労働者の3人に1人、2000万人に達しています。彼らのうち1100万人は、年収が200万円にも達しないワーキングプアです。企業にとっては、正社員を1人雇うより派遣労働者を3人雇ったほうが労働効率はいいですから、今後は派遣労働者が爆発的に増え、労働人口の半分を占める可能性もありますよ」(労働事情に詳しいジャーナリスト)

正社員の人々も安心してはいられない。
「安倍首相は、かつて"残業代ゼロ法案"と批判されたホワイトカラーエグゼンプション(働く時間ではなく、仕事の成果で賃金を払う)の導入を目指しているとされています」(労働組合・連合関係者)

現行の労働基準法では、会社が残業代を払わなくていいのは、部長職など上級管理職や研究者の一部専門職に限定されていた。
「この残業代ゼロ法案は、年収1075万円以上の労働者が対象と想定されていますが、安倍政権には"小さく産んで大きく育てる"との意図があるでしょうから、近い将来、対象が年収800万円になり、次には600万円と、徐々に基準が下げられていく可能性は非常に高い」(前出の五十嵐元教授)

残業代がゼロになれば、給料が激減するのは必至だ。安倍首相による労働者イジメはさらに続く。

これまで、安倍政権は所得税や住民税を手始めに種々の重税を国民に課してきた。
それは社会保障費も同様で、医療費の値上げ、年金保険料の値上げと、ありとあらゆる方法で庶民の虎の子を巻き上げて来たのだ。
「今後もそれは続きます。現在、安倍政権下で検討中なのが、国民年金保険料を約2倍に引き上げること。また、医療保険や介護保険の引き上げも課税スケジュールに書き込まれています」(財務省関係者)

さらにパチンコ税、携帯電話税、第3のビール税課税も視野にあるという。
「17年4月には消費税10%へのアップが規定路線。10%になれば、年収489万円の世帯では、年間で12万円の負担増となるという試算もあります」(同)

社会評論家の小沢遼子氏が怒りの声を上げる。
「人生のゴール地点では"死亡消費税"まで取る構想といいます。もはや、めちゃくちゃですよ。ここまで馬鹿にされたら、怒らないほうがおかしい。かつて、日本の労働者は自らの権利を守るためにストライキを連発しました。事ここに至れば、私はそのような事態の到来を願っています」

安倍首相が敬愛してやまぬ祖父・岸信介元首相は、60年安保で国民の怒りを買い"討ち死に"した。歴史は再び繰り返されるのだろうか……!?

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