キスするのがツライ……女性に多い「舌痛症」とは?の画像
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舌に痛みやしびれを感じる「舌痛症」(ぜっつうしょう)が、増加の傾向にあるという。この病気の最大の特徴は、見た目にはなんの変化も見られないところである。炎症や粘膜の荒れ、潰瘍などがないのにも関わらず、舌がヒリヒリ、ビリビリと痛み、つねに気になってしまう。よって病院を受診しても診断がつかず、効果的な治療を受けられないケースが多いのだ。また、患者の大半は40~50代の女性であるため「更年期障害」「不定愁訴」など心が原因のものとして片付けられることも多い。

舌痛症の患者に目立つ特徴は以下の通りだ。
1:几帳面で、生真面目な人がなりやすい
2:痛みの強さ、部位が1日の中で変わり、日によって変化する(たとえば、食事中、入浴中、仕事中などには痛まず、寝る前になると酷くなるなど)
3:虫歯の治療や身内の不幸がきっかけで始まる例も
4:口の中の乾きや味覚障害など、舌の痛み以外の症状を訴える人が多い


舌痛症の原因はいまだ十分に解明されてはいない。かつてはメンタルからくる痛みではないかと考えられていたが、近年では「神経痛」と同じで、痛みを伝達し、知覚する神経回路に障害が生じているためという説も出てきた。つまり、痛みの感覚神経が勝手にバチバチと電気信号を発し、痛まなくていいときに痛む「誤作動」をおこしているというわけだ。このケースだと、抗うつ剤の服用によって軽減、あるいは消失することが臨床的な研究によって証明されている。ただし、抗うつ剤の鎮痛効果には個人差があり、「この薬で全員が治る」というところまでには治療法が確率されていないのも事実だ。

とにもかくにも、症状がある人はまずは歯科、口腔外科で相談することだ。物理的な要因による舌痛症なら、入れ歯を口にあったものに替えたり、金属の詰め物を作り直すことで痛みの改善が見られるだろう。しかし、こうした物理的要因が見当たらない場合は、心理療法になる。心療内科、精神科、内科がその当該になると思われるが、まずは経験豊富な医師のいる医療機関を受診するのがオススメだ。抗うつ剤、精神安定剤、亜鉛製剤が効くこともあり、治療法は一律ではない。いずれにしても治療には時間がかかるが、あまり心配せず、根気よく治していこう。

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