首相は"第2シナリオ"も用意

ただ、この時期の入閣は橋下氏に取って大きなリスクもある。
「大阪市長の残り任期が数か月とはいえ、市長職を放り投げての入閣には"地元を放り出すのか!"の声が噴出するのは必至。ブーイングが高くなれば、橋下氏の今後の政治家人生はいうまでもなく、すべてが裏目に転じてしまう危険もあります」(前出の大阪維新の会関係者)

だが、大阪都構想を実現するという"大義名分""錦の御旗"があれば、批判はかわせる、という判断もあるだろう。前出の浅川氏はこう言う。
「また、それは大阪都構想を政策テーマとする松井知事再選への援護射撃にもなります」
そして、「ただし」と付け加え、一方の安倍首相側のリスクも挙げる。
「自民党には3年3か月下野していたことから、大臣待望組が多くいますからね……」
支持率が低下した今、派閥からの"ねじ込み"もあるだろうというのだ。
「そうした党内事情を差し置いても入閣させるとなるとリスクはあります」

そこで、首相は"第2シナリオ"まで用意して橋下氏をかき口説いているという。
「それは、10月の内閣改造に当たり"意を含んだ"腹心を総務相に起用。橋下氏の大阪市長任期満了を待って、任を解いて橋下氏就任の運びとする案です。そこまでしても、というのがサプライズで支持率アップをめざす首相の思いだといいます。いずれにしろ、橋下氏の大臣起用は確定。首相の腹は固まっているといわれています」(前出の全国紙ベテラン記者)

浅川氏は、
「来夏の参院選を考えると目玉が欲しい。その点、橋下氏の知名度や発言力は申し分ない」
と分析する。そして、
「10月に、地方分権を担当していく地方創生担当大臣への就任という形も現実的かもしれません」

前出の鈴木氏は、
「安倍首相は、悲願の憲法改正に向け着実に手を打ってきています。その大きな一つが、橋下氏の抱き込み。というのも、改憲に関しては連立を組む公明党が、ここにきて二の足を踏んでおり、微妙な関係にある状況です。そのとき、橋下新党を取り込んでおけば、公明党を補完して余りある勢力となりますからね」

浅川氏も、
「橋下氏は、安倍首相の悲願・憲法改正に全面協力すると公言して憚りません。この2人の間にはホットラインがあり、緊密な連絡を取り合っているハズです」

そして、10月の橋下氏電撃入閣は「決して絵空事ではない」と断じるのだ。
"稀代の風雲児"橋下徹総務相誕生。果たして、時代は彼を受け入れるのだろうか!?

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