(再現ドラマ)
隆二「おい、お前はル・クプルの藤田恵美でもあるんだ。忘れてんじゃないだろうな?」
恵美「忘れてなんかない」
隆二「じゃあどうするつもりだ!おい答えろ!!」

隆二は執拗に恵美を責めるようになっていった。
成功する妻と落ちぶれていく夫。かつての物腰柔らかい温厚な夫は見る影もなくなり、豹変していく。

(再現ドラマ)
隆二「昨日のライブはなんなんだ!?」
隆二「お前はダメだ!」「ダメだダメだダメだ!」

恵美「もう大声で、とにかくこう罵倒するような言葉とか。それが続くと、なにがよくてなにが悪いのか、なにが本来の自分の感情なのかとかもう麻痺しちゃってて」

恵美は隆二の支配下に置かれるようになったが、天涯孤独の身なため家庭を失う事を恐れ、我慢の日々を送っていた。だがついに隆二の口から恵美が最も恐れていた言葉が飛び出す。

(再現ドラマ)
隆二「離婚だ!」「離婚、離婚、離婚!!」

そう言い放つと家を出て行った隆二。2007年に2人は離婚した。
だが実は離婚を切り出した隆二にはある狙いがあった。一方、家庭を失った恵美は歌手を止める決断までしていた。

恵美「他人になっちゃうんだな、みたいな。辛かったですねえ」

見ていて胸の痛くなる修羅場。しかし離婚から10年が経ち、最近ようやく離婚の傷が癒えてきた恵美に、隆二がどうしても彼女に言いたいことがあるとのことでスタジオに招き入れられた。しかし隆二は口ごもってしまい、なかなか話そうとしない。そしてようやく出た言葉は……。

隆二「まずは、謝りたいなっていう、その、すみませんでした」
恵美「いえいえ」

そして隆二の口から、驚きの告白がされる。なんと本心では別れたくなかったのだが、恵美の気持ちを確かめるために離婚を口走ったというのだ。

そしてそれに続いたのは、恵美への感謝の言葉だった。

隆二「あなたの歌があったからやっぱりル・クプルでもあったし、『ひだまりの詩』っていうのに出会って、長く音楽活動もやれて本当に感謝しているんだよね」

目にうっすらと涙をためて真顔で「うん、うん」というようにうなずく恵美もまた、隆二に感謝の言葉を述べていた。
そしてル・クプルは今夜限りの再結成を果たし、10年ぶりに『ひだまりの詩』をテレビで披露した。

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