認知症がストーカーの原因に

新郷さんも、前出の著書の取材中に、高齢ストーカーの被害に遭ったという。
翌年80歳を迎える元社長を取材したときのこと。
「"あなたもまさか、取材だけで私に会いに来たんじゃないでしょう"と言われ、思わず、のけぞってしまいました」(同)

その気がないことをはっきり伝えたにもかかわらず、"今週末、箱根までドライブしましょう"など、1~3日おきにお誘いメールが来るようになったという。
「山本さんは才能のある役者さん。堀北さんも仕事で尊敬している相手だったから、憎からず思えたんでしょう。山本さんがやったことを近所で挨拶する程度の仲のお爺さんにやられたら、気持ち悪いですよ」(同)

おっしゃる通り……。
また、ストーカーに走る理由は認知症とも関連があるという。新潟大学名誉教授の岡田正彦氏がこう語る。
「アメリカでは2397名の認知症患者を対象にした調査があり、ストーカーを含めた性的犯罪は、同患者が引き起こす犯罪の第3位にランクされています」

厄介なのは、記憶力は侵されていないのに、認知症と診断されるケース。
「前頭側頭型と呼ばれるタイプです。感情のコントロールができず、アルツハイマー型の患者に比べ、犯罪につながる可能性は3~4 倍になっています。男は生涯、性については現役。しかも、性への思いが行動に出やすいんです」(前同)

晩節を汚さないためにも、自制したいものだ。

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