マクドナルドも音楽もWBCもゴリ押し 危険な食生活と文化編

実業家の藤田田氏は71年に日本マクドナルドを創業し、バブル真っ盛りの89年には、おもちゃ店チェーンのトイザらスを日本で開業した。
「フランチャイズ権を得た藤田氏は豊富な資金力を背景に次々と店舗を拡大し、当時はチェーン店などほぼなかった郊外にも出店していきました。実は藤田氏、郊外進出には消極的でしたが、米本社側の意向には逆らえず、不本意だったようです」(流通ジャーナリスト)

マックの登場は日本のファストフード市場に革命をもたらし、とりわけ90年代、00年代を通じて外食産業のデフレ化を進める引き金となった。
外食デフレ路線を牽引したマクドナルドは、相次ぐ「食の安全」問題によりピンチに陥っている。今年6月の時点で、売り上げは12か月連続2ケタ減という極めて危機的な情勢だ。
「ここにきてマックがピンチに陥っている現状は、少子化でシュリンクする日本にアメリカ式市場経済が適応できなくなっている象徴かもしれません」(前同)

食生活だけでない。世界に冠たる電機製品もピンチに陥っている。80~90年代、ソニーはウォークマンによって世界市場を席捲した。
だが、デジタル時代に移行し、01年にアップルから初代アイポッドが発売され、ソニーは凋落するばかり。
「07年にアイフォンが、10年にアイパッドが発売されると、両者は世界中で爆発的にヒット。ウォークマンに代表される日本企業の製品は、デジタル製品の波についていけず、同時に日本国内のCD売り上げも右肩下がりとなりました。アップルの創業者・スティーブ・ジョブズの登場によって、日本の音楽関係の製品は世界の流れから取り残されたわけです」(前同)

スポーツの世界でも、オレ様アメリカの横暴が見受けられる。夏のオリンピックはメジャーリーグのシーズン真っただ中のため、メジャーのスターはオリンピックに出場できなかった。
05年には北京オリンピック(08年)をもって野球が廃止されることが決定すると、アメリカ主導でワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が始まったのだが、これも裏がある。

「WBCはメジャーリーグの主催ですから、FIFAという国際団体が開催するサッカーW杯とは性格がまったく異なります。オリンピックにはメジャーの主力選手が出場できないため、野球を利用してアメリカ主導で金儲けできるよう、WBCを仕組んだんでしょう」(スポーツ紙記者)
WBCの敗者復活ルールはデタラメであり、前回大会では日本戦5試合のうち、3戦は韓国が相手というムチャクチャな結果になったことを考えれば、いかに日本不利のルールだったかが分かる。

「実は、プロ野球もメジャーの食い物にされつつあります。野茂英雄が活躍し、メジャーが日本選手獲得に積極的になりました。"日本のスターは集客やグッズや放映権などで金になる"ために、ダルビッシュ有や田中将大などの投手を獲るわけです。日本球界のスターをこぞって持っていかれるのだから、プロ野球の人気低迷にもかなり影響していますよ」(前同)
戦後70周年を迎えた今、日本はアメリカの属国のままでよいのだろうか。

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