■「オリックスはこんな弱いチームじゃありません」(1991年5月3日、オリックス・藤井康雄)
球団譲渡でオリックスとなり3年目。前年2位だったチームは開幕依頼負け越し最下位となっていた。対日本ハム戦、2点差で抑えた9回、1番もとに市の本塁打で1点差まで詰め寄ると、二死一塁の場面。打席に藤井康雄が入る。直球を振り抜いた打球は、右仲間スタンドに飛び込む逆転サヨナラ二ラン本塁打。目を真っ赤にして藤井はダイヤモンドを回った。この三年後にイチローが出現し、オリックスは初優勝。黄金時代は藤井の思いからはじまった。

■「こどもたちの夢を汚さないでください」(2009年9月26日、ロッテ・西岡剛)
「本当にロッテを愛してるなら、明日から横断幕を下してください」ヒーローインタビューの最中、西岡は突如ライトスタンドのファンに向け涙ながらに訴えた。プロ野球史上、前代未聞のシーン。この年のロッテはバレンタイン監督の退任、主力選手の放出などゴタゴタが続き、一部熱狂的な、ファンはフロントへの抗議のため過激な殴打なくを掲げ断罪。さらに西岡の声に応援団は翌日応援をボイコットと応援団の在り方が問われる事件となった

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先日発売となった、名勝負の影にある“敗者”にスポットを当てたムック「美しき敗者36番勝負」(双葉社)。今回はそのムックのなかの「ヒーローインタビュー」の特集を紹介した。アスリートの生き様に感銘を受けること間違い無しのこのムック。是非、書店などでお買い求めください。


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