"政敵"は飼い殺しか取り込み

全派閥が安倍支持を打ち出し、対抗馬なき総裁選ムードが漂う中、ただ一人、立候補の動きを見せたのが野田聖子前総務会長だ。
「"あいつだけは絶対に許さない"と、宮邸周辺は怒り狂っていましたからね。安倍天下のうちは、日の当たるポストは回ってこないでしょう」(前同)

さらに、辛辣な意趣返しも用意されているという。
「野田さんの別れたダンナの鶴保庸介参院政策審議会長(当選3回)を入閣させる噂があるんです。彼は二階派所属ですから、二階総務会長に恩も売れますしね」(前出のデスク)

なんとも、"悪趣味"な話ではあるが……。
「安倍さんは味方は裏切らず、敵は徹底的にパージするハッキリした性格です。麻生太郎財相、岸田文雄外相らは軒並み留任です。金銭スキャンダルや東京五輪問題でミソをつけた下村博文文科相も、留任が濃厚です。彼と安倍さんは思想信条が近い"ソウルメイト"ですからね」(前同)

"宿敵"とされる石破茂地方創生担当大臣はどうか?
「石破さんは、安倍周辺からの"次の総理はあなたしかいない"の甘言を信じ、対抗馬として立つことを断念した人です。政策通だが、とにかく政治勘が鈍い。今回の総裁選でも決断できず、永田町では優柔不断の評が定着してしまいましたね。首相も、すでに石破氏を"害なし"と見切っており、今回の改造でも"飼い殺し"にするでしょうね。権限も人も金もない地方創生相留任で決まりですよ」(同)

落ち目の石破氏をよそに首相周辺が取り込みに躍起なのが、"自民党のホープ"小泉進次郎復興大臣政務官だという。
「官邸は、進次郎氏を政務官から復興大臣へ大抜擢する案を検討しています。来年は震災から5年目の節目。復興大臣は露出が増えるため、受けがよい進次郎氏を利用し、来夏の参院選を戦おうという算段です」(同)

また、年内に任期の切れる橋下徹大阪市長を"民間大臣"として、なんとか入閣させられないか検討しているというが、これも選挙戦をにらんでのこと。
最後に入閣待望組の運命だが、
「全派閥が総裁選で安倍支持に回ったので、いつも以上にポストが不足している。当選10回も大臣経験なしで、"永遠の副大臣"の異名を持つ逢沢一郎衆院議員の夢は今回もかなわない」(自民党職員)
という。

どんでん返しが常の改造人事。安倍首相は、どんな隠し玉を繰り出すのか!?

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