監督人事で内紛勃発!? 巨人・原 VS 松井「骨肉の14年バトル」の画像
監督人事で内紛勃発!? 巨人・原 VS 松井「骨肉の14年バトル」の画像

重圧に耐えて好成績を残してきたのに聞こえてくるのは別な男の待望論……いいかげんに堪忍袋の緒が切れるゾ!

9月に入り、大詰めを迎えたセ・リーグのペナント争い。その行方とともに、巨人軍・原辰徳監督(57)の去就が注目されている。

2006年の2度目の監督就任から、ちょうど今季で10年目、通算すれば12年目となる原監督。
「原は大監督ですよ。通算優勝回数7回、日本一3回は、王、長嶋、藤田を上回っている。ドラフト制導入で各球団の戦力が均衡化した昨今で、成績を残しているのは本当にすごい」(ベテランのスポーツ紙記者)

今季で2年の契約が切れるが、読売巨人軍の渡邉恒雄最高顧問も、開幕前のパーティで、その手腕を称え、「原君、13年目に入るかもしれない。14年目にいくかもしれない」と、事実上の続投要請をしている。
このように、盤石に見えた原政権だったが、開幕早々に主力選手の相次ぐ故障やスランプでつまずき、スタートダッシュに失敗。揺らぎを見せ始める。

V9戦士で、長嶋茂雄、広岡達朗、森祇晶といった監督をサポートし"優勝請負人"の異名を取った黒江透修氏が語る。
「チーム事情もあるんでしょうが、"えっ!?"と思うような采配があります。坂本にバントさせたり、クリーンアップの打者を7番、8番で使ったりね。僕らの頃なら休ませた。最近の巨人は恥ずかしいことばっかりで、なんでかな、と思うこともありますね」

野球専門誌記者も声を潜めて、こう話す。
「一時期は5位まで順位を落とし、内容もひどかったので"原、今季退任"という情報が飛び交いました」

その根拠は、原本人が周囲に「10年は長い。もう疲れた」と語ったという情報と、読売グループ内に「チームの刷新が必要」との声が上がったからだった。
「読売新聞の部数は1年で60万部も減少しており、それゆえ、グループ最大の拡販の武器である巨人軍に矛先が向き、劇的な監督人事で世間を驚かせろ、という意向があったといいます」(テレビ局関係者)

以来、「後任人事」をめぐる動きが活発化。本誌が報じてきたように、江川卓氏、桑田真澄氏、また、現役の高橋由伸など、華やかな名前が監督候補として挙がった。
中でもファンが待望し、渡邉最高顧問も「(原監督の後任には)最適だよね」と認めたのが、松井秀喜氏(41)だった。

松井氏が現役引退を表明した直後の13年1月、当時巨人軍会長の渡邉氏は、
「巨人に戻ってきてもらって、多少コーチとかやってもらうけど、大監督になってもらいたいよね。それをみんな望んでる。おそらく野球ファン全部が望んでるんじゃないかね」
とブチ上げている。
「夏に、読売のある大幹部がニューヨークで松井と会食したそうです。周囲に出張は別件と断っていたのが、かえって臭い、と話題になりました」(夕刊紙記者)

しかし、
「この"松井待望"の流れが原をいら立たせているようだ。"オレをクビにして、そんなに松井にやらせたいのか?"という気持ちだろう」(前出のベテラン記者)

実は、14年前の01年オフに「巨人・原辰徳監督」が初めて誕生して以来、原監督と松井氏には秘められた因縁がある。
「松井が常に長嶋茂雄名誉監督を"恩師"として挙げるのとは対照的に、原さんの名前が出ることはめったにない。やはり、あの事件が影響しているでしょうね……」(スポーツライター)

指揮官と主軸選手として、原監督と松井氏がシーズンを共にしたのは、02年の1年だけ。同年オフ、松井氏は海外FA権を取得し、ヤンキースに移籍する。
「巨人の引き止め工作は凄かった。原監督もその任に当たり、何度となく説得しましたが、移籍を止められなかった。以来、原監督は松井に、いい感情は持っていないんです」(前同)
確執が表面化することこそなかったものの、溝は埋まるどころか、深まっているというのだ。

昨年2月の宮崎キャンプでのこと。松井氏は巨人の要請で、臨時コーチを引き受けた。
原監督から大田泰示と中井大介の指導を頼まれた松井氏は、大田にアドバイスを送っている。松井氏は"ボールとの距離を取ること"と助言した。
「これは、松井にとって打撃の基礎の基礎。逆に言えば、あまりに大きな穴が大田にある、と指摘したものと言えます。その大田を評価し、巨人の4番に据えようとしていた原監督が、松井には理解できず、不信感を抱いたように思います」(前出のテレビ局関係者)

大田は、原監督の母校・東海大相模の後輩。入団以来、直々に目をかけてきた愛弟子とはいえ、チームを支えるには力不足に映ったのだろうか。
「原さんは情が厚いですからねえ。しかし、その面倒見のよさが裏目に出たこともあるんですが……」
と、前出の専門誌記者が語るのは、03年の原第一次政権が終わりを迎えたときのことだった。

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