"孤高の人"と"親分肌"の両者

「わずか2年で退任したのは、自分の連れてきた斎藤雅樹、村田真一の両コーチの配置転換をフロントに要求されて、突っぱねたせいです。替えるなら辞めるとタンカを切ったら、慰留もされずに本当に辞めることになった(笑)。斎藤、村田はともに、原さんとチームを去りました」(前同)

そして、06年に再び監督に就任すると、斎藤、村田の両コーチも入閣。以来10年、苦楽を共にしている。
「現在、斎藤コーチはチーフ投手コーチ。そして、ベンチで原監督の隣に立つのは村田総合コーチ。事実上のヘッド格だ。また、12年から入閣した秦真司コーチには、原監督の甥・菅野智之の父と法政大学でバッテリーを組んでいた縁もあるのでは、と囁かれている」(ベテラン記者)

このように、とにかく面倒見のいい原監督と松井氏は、対極にあるという。
「現役時代から選手同士では群れず、食事にはスタッフと行くことが多かった。飯に一緒に行く選手は、高卒同期入団の村田善則くらい。そういうポリシーがあるんだな、と思いましたね」(球界関係者)

孤高の人である松井氏と親分肌の原監督。両者のソリが合わなくて、当然なのかもしれない。
「複雑な感情を抱く相手の名前が後任として挙がれば、原監督が"アイツにだけはやらせない!"という気持ちになっても、おかしくないですね」(前同)

当初は「優勝しても交代」だったのが「リーグ優勝で留任」、そして「V逸でも続投」と変わってきた次季巨人軍監督人事。これは、原監督の留任への強い意思の表れと言えるだろう。前出の黒江氏が語る。
「監督をやるには、コーチを経験してからでないと。順序というもんがある。コーチで苦労している人は、分かりますからね」

これは長嶋名誉監督、王ソフトバンク球団会長らの持論でもある。
「読売上層部には、原監督の下でコーチとして帝王学を学ばせ、3年以内に松井監督、というプランもあるようです。しかし、原監督の下で松井がコーチをやることはない。間に誰か挟むことになるでしょう」(前出の球界関係者)

かくも深い両者の因縁。果たして、和解する日は来るのだろうか――。

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