データ予想 須田鷹雄
タフな馬場にも強いウリウリ


まず最初に、香港馬の評価から決めておきたい。

春にエアロヴェロシティが勝っているだけに気になる存在かもしれないが、今回はちょっと厳しいというのが私の評価だ。

リッチタペストリーは遠征経験が豊富なのが魅力だが、シンガポールの芝1200メートルで結果が出なかったのがマイナス。休み明けでも走れるタイプ、かつダートやオールウェザーでは強い相手と走って好走しているので地力はあるが、それを考えてもとりあえず△、というところだろう。

では、日本調教馬の過去10年を振り返ってみよう。前走レース別成績で見るとやはりセントウルS組が中心ということになるが、この組は前走で勝ってくる必要はない。むしろセントウルSは、格上タイプの馬が惜敗しやすいレースだ。

そういう意味で、セントウルS組は2着だった◎ウリウリに注目したい。セントウルSでは出負けして、大外枠から内ラチ沿いに行くロスの多い競馬。直線一発で進路が空いたとはいえ、きわどいところまで詰めてきたのはさすがという印象である。

もともとこの馬は高速馬場の京都でレコード勝ちしていたものが、タフな馬場の中京をこなし、今度は開幕週の阪神。坂の有無や手前、路面などと関係なく好走を続けている。これは現在かなり充実期にあって地力に勝っているものと解釈できる。

中山は以前ほどではないもののまた少しソフトな馬場になっているので、途中雨などがあると、時計勝負だけの馬には苦しい条件になりうる。この点この馬は中京の重馬場までこなしているという安心感がある。

○はストレイトガール。
セントウルS4着は、試運転としては上々。確固たる主役がいない現在のスプリント界においては、GⅠ好走歴が豊富な馬の存在は大きい。
いまひとつ勝ち運のないタイプではあるが春にタイトルを獲得してそこからも脱却したし、スプリンターズSはこの馬の得意とする外差しが鮮やかに決まりやすいレースでもある。

▲にサマースプリントシリーズのチャンピオンとなったベルカント。◎○▲はすべて牝馬となったが、力量差が小さいときのスプリントGⅠは、斤量の絶対値が小さい馬が有利な面もある。

その意味では3歳馬の★アクティブミノルも前走をフロック視しないほうがいい。

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