強すぎる安倍色を弱める人材

そして、永田町では、「アメリカも"次の総理"にツバをつけている」との噂も流れているという。
「自民党であれば、石破茂地方創生相でしょう。日米安保は片務的、というのが彼の持論で、日米同盟の庇護者。さらに、安倍政権では冷遇されていますので、アメリカにすれば、ちょうどいい存在なんです」(前出の鈴木氏)

事実、石破氏の動きは活発化しており、今月上旬に〈石破氏、派閥結成へ〉の見出しが新聞やテレビに走ったのは、ご存じの通り。人数は20人程度と、党内で6番目の規模の派閥と見られているが、
「派閥結成は、次期総裁への意欲の表れ。反安倍勢力を中心に、他派閥との連携もしやすくなることが最大のメリット」(政治記者)

一方、党内からは野田聖子前総務会長を推す声が、日増しに高まっているという。野田氏といえば、結果的には断念したものの、9月の党総裁選で出馬の意思を表明し、推薦人集めに走っていた。

関係者が「安倍陣営周辺からの強烈締めつけにあい、涙を飲むことになりましたが、反安倍の機運はいまだ燻り続けている」と話すように、今回は推薦人に名前を貸さなかったが、"次"は分からないという議員が相当数いるというのだ。
「色が濃すぎる安倍首相の次は、"中和できる人"がいいとの声が、かなり聞こえてきます。そうなると、女性首相は有力な案。高市早苗総務相や稲田朋美政調会長など、女性首相となると何人か名前が挙がりますが、すでに首相への積極姿勢を表明した野田さんには話が通じやすいですから」(自民党議員)

前出の小関氏が、
「アメリカ国内ではオバマ政権の外交は評価されておらず、保守派を中心に"もっと強いアメリカを"との声が強まっている」
と話すように、経済対策や極東地域での軍事バランスを鑑みれば、日本政府との関係性が非常に重要なアメリカ。

しかし、その大国が睨む今後の日米関係には安倍首相の名前はなく、祖父が安保改定後に総辞職に追い込まれた歴史を繰り返すほかないのかもしれない。

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