激突は秒読み? 小泉進次郎と安倍晋三首相「報道されない本当の関係」の画像
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将来を期待された"若きプリンス"と長期政権を手に入れた宰相。交錯する両者の思惑が今、火花を散らすのだ‼

10月7日、安倍首相が第3次改造内閣を発足させた。
直前には、自民党の全派閥の支持を取り付け、無投票で党総裁に再任。先の国会では戦後最長の95日間の会期延長をして、安保関連法案を成立させている。
「安保法案をめぐり支持率を下げましたが、首相の党内での基盤はいささかも揺るぎがありません。それは今回の改造を見れば明らかです。副総裁と党四役(幹事長、総務会長、政調会長、選対委員長)は留任。閣内でも重要閣僚はすべて留任させています。変化を求めないのは、首相の力が衰えていない証拠です」(全国紙政治部デスク)

ただし、好事魔多しは世の常。
「多くの大臣が続投となったため、次こそはと鼻息を荒くしていた"入閣待望組(71人=衆院5回以上、参院3回以上で閣僚経験なし)"の面々に、大きな不満が残ることとなりました。彼らは皆、各委員会や派閥内で幹部クラスですから、反目に回られると厄介な存在です」(前同)

また、"改造の目玉"と目されていた自民党のプリンス・小泉進次郎前復興政務官の大臣起用に失敗したことも、痛恨事だという。
「国民的人気の高い進次郎氏の大臣起用が成れば、支持率が回復するはずです。来夏には参院選が控えていますが、改憲を目指す安倍内閣としては絶対に負けられない。そのためにも、進次郎氏を閣内に抱えたかったはずです」(同)

進次郎氏は、衆院当選3回ながら、父・純一郎元首相譲りの弁舌で人気があり、同時に復興政務官としての働きも評価されている。
「改造人事発表前には、進次郎氏を復興大臣か副大臣に起用する案がありました。はたまた、首相に直接仕える首相補佐官への起用も真剣に検討されていたんです」(自民党関係者)

9月半ば以降、ことは「進次郎氏の昇進」の方向で進んでいたという。
「この人事が成れば、首相は"次世代のホープ"を監視下におけるばかりか、進次郎氏が盛んに喧伝している安保関連法案や原発政策への批判も、封じることができますからね」(前同)

首相にとっては、一石二鳥にも三鳥にもなる妙手だったのだ。
しかし、一筋縄ではいかないのが進次郎という男。『小泉進次郎の闘う言葉』等の著書があり、"進次郎ウォッチャー"として知られるノンフィクションライターの常井(とこい)健一氏が言う。
「(改造人事で進次郎氏の名前が取り沙汰され始めた頃)彼は地元・神奈川新聞(9月25日付)の単独インタビューに応じ、安保関連法案をめぐる安倍自民党の対応を批判しています。また、同月30日に行われた講演では、"自分には、まだまだかけるべき雑巾がけの期間がある""僕は年齢も足りない。政治の世界では若すぎる"として、入閣の噂を明確に否定してみせました」

小泉純一郎元首相と親交が深い政治評論家の浅川博忠氏も、
「進次郎氏の講演での発言は、首相への強烈な当てつけとなりました。このあたりは喧嘩上手な父親譲り。彼は安倍執行部に、これ以上取り込まれたくないとの思いがあったのでしょう」

と分析する。確かに、今回の改造を機に、閣内からの"離脱"を入念に準備していたのだろうか、ここ最近の進次郎氏の舌鋒は鋭い。

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