"政治の師"は小泉元首相一人

たとえば、無投票で安倍首相の総裁再選が確定したときは、「(対立候補が出馬しなかったことで)自民党の多様性は失われた。そんな組織に持続可能性はない」(9月8日)と苦言。
また、国論を二分した安保法制審議では「国民の理解が得られていない原因を作った一端は、自民党にある」(7月16日)と一刀両断。

昨年暮れには、安倍首相が乾坤一擲の大勝負に出た衆院解散・総選挙で「なぜ今、解散なのかわからない」と、これまた舌鋒鋭く批判。

"安倍一強"時代といわれて久しい今、この無謀とも思える反骨精神はいったい、どこからくるのものか?
「もともと、安倍首相と進次郎氏の間には浅からぬ因縁がありました。2003年、まだ49歳の若さだった安倍氏を幹事長に大抜擢し、その後の首相への道筋をつけたのは進次郎氏の父・小泉元首相。安倍氏も、その恩義は十分に感じており、進次郎氏の初当選以来、目をかけていたことは事実です」(前出の浅川氏)

ところが、安倍首相は首相に就任するや、恩師の小泉元首相に弓を引く行動に出る。小泉元首相が"命を賭けて"断行した郵政解散に反対し、自民党から離党勧告された議員たちを復党させてしまったのだ。
「以後、両者の仲は一転、険悪なものとなってしまいました」(前同)

さらに、小泉元首相が反原発を提言するようになって以降は、両者の仲は"修復不可能"となったという。
「進次郎君の政治の師は親父さんです。現在でも、事あるごとに父親から帝王学をレクチャーされています。あとは、母親代わりに育ててくれた小泉元首相の実姉・信子さんに相談をしているようです。進次郎君が、父親と反目となった安倍首相への警戒を強めるのは必然ですよ」(後援会関係者)

小泉元首相との関係悪化に伴い、進次郎氏との間にも隙間風が吹き始めた安倍首相。そんな首相が最も恐れているのが、首相の"最大の政敵"である石破茂地方創生相と進次郎氏の合体だという。
「石破さんは、先だって自派閥である水月会を立ち上げ、次回の総裁選への立候補を鮮明にしました。今改造では留任し閣内にとどまったため、表だった"反安倍活動"は難しいですが、準備は怠らないはずです」(前出のデスク)

進次郎氏は12年9月の自民党総裁選で2度とも石破氏に投票している。一方の石破氏も、「将来必ず(進次郎氏を)総理大臣にしたい」とラブコールを送るなど、相思相愛にも見える。
「まだまだ若い進次郎氏と政治勘の鈍い石破氏は、"単体"では安倍首相の敵にはならない。ただ、両者が合体すると看過できない勢力になるため、安倍官邸は、どちらかを閣内にとどめ"人質"にする作戦を取っているんですよ」(前同)

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