東京五輪後に「首相の座」狙う

今のところ、この官邸の"封じ込め工作"が功を奏していると言えるが、そもそも、進次郎氏と石破氏の"タッグ結成"は杞憂――の声も漏れ伝わる。
「繰り返しますが、進次郎君の政治の師は親父さんだけ。安倍首相に対しても何の感情も持っていないし、石破さんには政策面に共感しているだけで、政治家として尊敬しているかといえば、そうではありません」(前出の後援会関係者)

これまで、取り込みを画策する党内の重鎮が、陰に日向に進次郎氏に秋波を送り続けてきたが、「誰にもなびかなかった」(前同)というから筋金入りだ。

ことほど左様に我が道を進む進次郎氏だが、安倍官邸は、いまだ取り込みを諦めたわけではないという。現在、参院で自民党が占める議席は114。憲法改正に必要な3分の2(162議席)には、ほど遠い。
「そこで首相は、来夏、衆参ダブル選を敢行。一発大勝負に出て一気に両院で3分の2を取り、憲法改正へと進む青写真を描いているんです」(前出のデスク)

それには、昨年暮れの総選挙で全国70か所を応援に飛び回り、自民党勝利の最大功労者となった人気者・進次郎氏は絶対に外せない駒なのだ。

対して、進次郎氏の胸中はというと、
「進次郎氏も選挙となれば党務に励むでしょうが、今回、フリーハンドとなったからには、原発問題など、ライフワークとなる政策課題にじっくり取り組むつもりではないでしょうか」(浅川氏)

政治の中枢から離れることで、冷静に自分の将来を見据えることができるというわけだ。そして、その両目には"あるビジョン"が映し出されているという。

進次郎氏は「20年の東京五輪を機に首相の座を狙い始める」というのだ。前出の常井氏が言う。
「彼は最近になって、東京五輪後の日本の針路を熱く語り始めました。近い将来の日本のあるべき姿を、真剣に検討し始めたのです」

9月30日に行われた講演でも、司会者からの「将来、総理になる気は?」の質問に対し、
「私は五輪、パラリンピックの後こそが一番正念場だと思う。その正念場を希望を持って、確かな一歩を、じわりじわり前に前に進めることを常に考えている」
と五輪後を強調している。

「安倍首相は自民党総裁任期を、これまでの2期6年から3期9年に変更し、自身が招致に成功した20年の東京五輪を首相として迎えたいとの思いがあります」(前出の自民党関係者)

だとすると、東京五輪前後から、"トップ取り"に向け始動した進次郎氏との激突は不可避となるだろう。安倍首相VS進次郎氏。将来の日本を占う暗闘劇のゴングが今、鳴った。

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