理解不能なオタク編

現役警察官に取材を進めていったところ、職務質問をしがちだというのが、オタク風の人間だという。
「巷では警察官による"オタク狩り"との批判もありますが、一方で、普通の格好をしている人よりも犯罪につながる可能性が高く、ナイフなど刃物を所持している率が高いんです」(首都圏の警察官D氏)

そんな彼らは、ナイフ以外にも所持品は多種多様。
「ナイフを持つ理由は護身用という人が多いが、それと同じ理由でスタンガンやエアガンを持っている人が結構いるんです」
いずれも、オタクの聖地・秋葉原では手軽に購入できるようだ。
また、何といっても所持率が高いのが、アニメ系グッズ。マンガ、うちわ、クリアファイル、キーホルダーなどなど。その中でも、複数の警察が「厄介だ」と口を揃えたのが、フィギュアなのだ。

「作り話に思われるけど、フィギュアを擬人化している人って多いんですよ。対象者についてだけ聞いても、"何で彼女のは聞かないんだ" "今、デート中なんだぞ"と突っかかってくる。こっちも職務中ですから人形を人間扱いするわけにはいかないので、すごい時間がかかりますよ」(前同)
「荷物検査のときにフィギュアに触ると、"お触りするな!!"ってブチ切れ、周囲の通行人にアピールする人がいるんですよ(苦笑)。もちろん、そんな話を聞いても誰も僕らを疑いませんが、すごく怪訝な表情をしますよ」(前出のA氏)

また、怪しい人は誰が見ても怪しいので、こんな例もあったそうだ。
歩き方と視線の動かし方が異様で、暑い日だったにもかかわらず、長袖、長ズボンにマスクを着用。しかも、それらの色が全部真っ黒だったので、迷うことなく職務質問を行ったそうだ。ところが、
「話しかけた途端に、"またかよ!!" "あと何回職質すれば気が済むんだよ!!"って怒鳴られたんです。理由を聞いてみると、この1時間で3回目の職務質問だったそうなんです(苦笑)」(前出のD氏)

そんな格好では、警察官でなくとも警戒して当然だが、服装がゆえに職務質問に至った、こんな例もある。女性警察官のE氏が話す。
「街を歩いていたら、中年男性が急に"かわいいねえ、ホテルでいっぱい逮捕しちゃうぞ"と手をつないで来たんです」

職務中のまさかの出来事に、E氏の背中は凍りついたそうだ。
「すぐに手を離して問いただしたところ、彼は夜のお店の待ち合わせをしていて、婦人警官の格好をお願いしていたんです」
すぐに職務質問。人違いで、それ以上の追及はなかったそうだが、この男性がその後の行為に集中できなかったのは、想像に難くない。

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