• データ予想 須田鷹雄
  • 京都大賞典組の過信は禁物!毎日王冠組に馬券的旨みあり

天皇賞・秋に向かう主なステップは、大きく分けて4つある。毎日王冠、京都大賞典、オールカマー、そして宝塚記念からの直行組である。ただ、今年の宝塚記念に出走した馬はすべて、その後1戦してから天皇賞・秋に登録しているので、宝塚記念組は今回不在。

他の3ステップについて過去10年の成績を記すと、毎日王冠は〔63249〕。京都大賞典は〔00016〕、オールカマーは〔01027〕となっている。京都大賞典組とオールカマー組はかなりひどい成績で、それよりは4つのグループに属さない「その他」というか、特殊なステップの馬をピックアップしたほうがよい。

特に今年の京都大賞典は、かなり極端な上がりの競馬だっただけに、天皇賞・秋に結びつくかは微妙だ。今回はエイシンヒカリが出走するため、中盤が緩むことはない。しかも同馬が実力馬であるために後続もある程度追いかけざるをえず、ペースとしてはややタイトな平均ペースになるだろう。

そうなった場合にメリットがある京都大賞典組は★カレンミロティックくらいだろう。△ラブリーデイも本来は平均ペースをこなす馬だったが、人気の根拠になる宝塚記念と京都大賞典はスローの競馬。異質な競馬なのに人気というのは、馬券的には歓迎できない。

ここはまず、素直に◎エイシンヒカリから入りたい。毎日王冠の連対馬は過去10年で〔4228〕。しかも、なぜか、毎日王冠での好走は本番での人気につながりにくく、この中に1番人気馬は2頭しかいない。△ディサイファはトライアルホースの匂いがするものの、近走内容は良いし、▲イスラボニータは前走時のデキが明らかにいまひとつだったので、叩かれての上積みがあるだろう。

もう1頭、期待したいのが○サトノクラウン。3歳馬の天皇賞・秋は、これまでのトータルで〔25319〕と特に良いわけではないが、これは6番人気以下で馬券に絡んだ馬が1頭しかいないことによる。天皇賞・秋で5番人気以内に推された馬は〔2433〕で複勝率75%。2頭しか勝っていないが、単勝回収率も複勝回収率もプラスとなっている。

菊花賞に向かわず天皇賞・秋に向かった判断は、おそらく正解。場合によっては◎でもいい存在だ。

■須田鷹雄 プロフィール
1970年東京都生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。大学在学中に競馬ライターデビュー。競馬以外のギャンブルも含めた「旅打ち」をライフワークとし、国内の全公営競技場を踏破した経験を持つ。

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