自己資金だけで500億円! あの村上ファンド「復活の狼煙」の画像
自己資金だけで500億円! あの村上ファンド「復活の狼煙」の画像

99年、30代にして経済産業省キャリアの肩書きを捨て、「村上ファンド」と呼ばれる投資グループを率いる投資家に転身した村上世彰氏(56)。06年、ニッポン放送株を巡るインサイダー取引事件で逮捕され、有罪判決を受けてファンドは解散。その後、表舞台から消えていた村上氏だが、ここにきて復活し、再び世間の注目を浴びている。

「『黒田電気』の株を16%以上買い集め、それを背景に自分たち4人を取締役に就けろと要求。もっとも、8月21日の臨時株主総会で株主の6割が反対し、この村上氏側の提案は否決されましたが」(経済部記者)
村上氏は自分たちが取締役に就いたら、「利益の100%を株主還元できる」と訴えていた。この主張、他の株主にとっても悪い話ではないはずだが。

「上場企業は株主のもので社員は株主の下僕というのが村上氏、そして米国流の考えで、社員も取引先も利益の恩恵に預かってこそ会社は栄えるというのが日本的考え。利益を100%株主に還元というのは、あまりにやり過ぎと反発を招いたのでは」(反対した株主)
何しろ、かつてのインサイダー取引事件では、ニッポン放送株を「ライブドア」(当時)が買い占めるとの情報を得るや、自分の持ち株を売り逃げし、村上氏は30億円も儲けていたのだ。

「株主のためと言っても、実は自分がただ儲けたいだけなんじゃ……」(前同)
その村上氏、現在は黒田電気の他にも4社の上場企業の株を5%以上買い占め、その投資額は500億円以上。これはすべて自己資金とのこと。つまり、それだけ儲けていたわけだ。
もっとも、「村上ファンド」は事件前のピーク時、総額約4000億円を運用していたという。

「以前は一般投資家の資金も運用していた。しかしインサイダー取引事件でミソをつけ、投資家に資金を募っても集まらないだろうと、自己資金だけでやっているんです」(前出の記者)
復活したが、まったく反省の色なしの村上氏。今後、どんな手を仕掛けてくるのか。市場関係者は戦々恐々としていることだろう。

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