NPO法人『建築Gメンの会』の正会員で一級建築士の佐藤正條氏は言う。
「一般の方が内覧会に行って、設計図を見ても偽装工事を見抜くことは、まず不可能です。見抜くには、工事をした会社に『竣工図』(設計図)と『施工記録』(実際の工事記録)を用意してもらい、我々のような第三者の専門家に見せること。この2つを見ると、専門家は"どのくらいの程度の強度か""基礎工事に、どのくらい費用をかけているか"などから、手抜きかどうかが分かるんです」

さらに、佐藤氏ら専門家が現場に行って良否を判断する場合、費用は全部で3~4万円という。また、
「この2つの書類を出し渋る施行会社は、手抜きの可能性が高い」(前同)
と付け加えるのだ。
「今回もそうでしたが、大手業者が施行しても、別の会社に下請を出し、さらにその下に別の業者があるという"縦構造"になっているのが建設業界です。大手業者の仕事だからといって信用はできません。"人が住むマンションを、なんだと考えている"と思うような現場監督もいました。大手も何も関係なく、結局は"人"なんです」(前同)

佐藤氏が「一般の人が思っている以上に、手抜きやずさんな工事は多い。誰もが"危ないマンション"を買う可能性がある」と指摘するように、誰の身に降りかかってもおかしくない、今回の傾斜マンション騒動。あなたの住んでいる家は本当に大丈夫ですか?

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