人生に役立つ勝負師の作法 武豊
ここからがラストスパートです!


現在、JRAで行われる重賞競走がいくつあるかご存じですか?

数はわからないけど、その格付によって、GI、GII、GIIIと区別されているのは知っている……という方は、競馬ビギナー。22レース行われる平場のGIの内、15個言える方は、なかなかのファン。「フェブラリーステークス」から始まって、最後の「有馬記念」まで。GIを順番通りにすべて言える方は、正真正銘の競馬ファンです。

では……ここで僕からの問題です。今年、JRAで行われるGII、GIII競走はいくつでしょう?

毎週末、競馬新聞を片手に、大人の推理ゲームを愉しんでいる方でも、さすがに、この問題に答えられる方は少ないと思います。答えはGIIが36。GIIIが67。今年、新設されたばかりで、格付けのないレース……10月10日に行われた「第1回サウジアラビアロイヤルカップ」(芝1600メートル)と12月19日、中山競馬場で行われる「第1回ターコイズステークス」(芝1600メートル)が2つあります(障害を除く)。

2015年も後2か月。
この中で残っているGIとGIIはともに7レースで、GIIIは9レース。競馬ファンの方の中には、GI戦線の谷間となる今週はひと休み……と言う方もいるかもしれませんが、僕たちホースマンにとっては、京都と東京で、4つの重賞が組まれている今週からが、ラストスパートのゴングです。

7日土曜日は、05年アルーリングボイス、06年アストンマーチャン、13年ベルカントと3度優勝したことのあるGIII「ファンタジーS」(京都)と03年、コスモサンビームで勝ったGII「京王杯2歳S」(東京)。翌8日は、10年に新設され、今年が第6回目となるGIII「みやこS」(京都)と、まだ一度も勝っていないというか、デビュー以来、2度しか参戦していないGII「アルゼンチン共和国杯」(東京)。

  1. 1
  2. 2