チャクリキ代表 甘井もとゆきのファイティングスポーツはサイコー!
第5回「バダハリとメルビン・マヌーフ」

ドージョーチャクリキは多くの名選手を輩出してきました。あのラモン・デッカーに勝ち越し、あらゆるベルトを手中に収めた軽量級の雄、ギルバート・バレンティーニ。
チャクリキ重量級のボスとして君臨し、当初は出場予定の無かったK-1 GPに急遽エントリーし、全試合KO勝ちという快挙で初代K-1王者に輝いた「伝説の拳」ブランコ・シカティック。
そして言わずと知れた「20世紀最強の暴君」ピーター・アーツ。この3人が同時に活躍していた時代はまさにチャクリキにとっての「黄金時代」でした。
この頃はオランダのチャクリキ本部自体も多くの格闘技興行を手掛けており、最軽量級からスーパーヘビー級まで全ての王者がチャクリキ所属という期間もありました。それ程選手層が充実していたのです。
スーツ姿で椅子に座ったトム・ハーリック会長を囲んで、ギルバート、ブランコ、ピーターの3大王者がそれぞれ3本のベルトを持って撮った写真はこのチャクリキ黄金時代を象徴する一枚で、今でも私はこの写真を見ると背筋が引き締まる思いが致します。
そうしたチャクリキを象徴する選手たちとは逆に、「え! この選手もチャクリキ出身だったの!?」と、知識のある格闘技マニアの方以外にはおそらく予想外の選手たちも、かつてチャクリキに在籍していました。それが「悪魔王子」バダ・ハリ選手と、「猛獣」メルビン・マヌーフ選手です。
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