当然これはノブの耳にも入りましたが、「もうね、チャクリキのスパーリングはガチャガチャですから、メルビンみたいに宣言しなくても、たまに仕掛けて来る奴は居ますよ。それで、そこで気持ちが折れていてはプロにはなれませんので、僕も必死でしたね」と、特にメルビンの挑発を意に介さず、遂にノブvsメルビンの喧嘩スパーが行われました。
持ち前の突進力でグイグイと前へ出て来るメルビンですが、突っ込んだ所にノブの強烈なパンチを喰らい、何度も後ろに転がされたと聞きます。その後はまるで日本の少年漫画のようですが、喧嘩が終わればノーサイドで、ノブとメルビンは友達になったようです。思いっきりノブとドツキ合いをしてメルビンの心も晴れたのでしょうね。
ノブ選手が白血病から退院後、K−1来日選手の宿泊ホテルにトム会長を尋ねてゆき、ロビー横の喫茶スペースにてトム会長、ノブ選手、私の3人でコーヒーを飲みながら歓談していたところ、「猛獣」メルビンは私たちの姿を見つけて突進してきました。
もちろん昔のようにノブに喧嘩を売りに来た訳ではありません。退院したノブに握手の手を差し出し「ノブ、退院おめでとう」と言うために走って来たのです。メルビン、本当にナイスガイです。


甘井もとゆき
PROFILE
1967年4月22日生まれ。ドージョーチャクリキ・ジャパン株式会社 代表取締役。オランダ・アムステルダムを本拠地とする格闘技道場の名門ドージョーチャクリキの日本代表。日本人選手のマネージメント、外国人選手の招聘、自主興行の開催などを通じ、ファイティングスポーツの世界に携わっている。
ドージョーチャクリキ・ジャパンHPhttp://www.chakuriki.jp/
フェイスブックhttp://www.facebook.com/motoyuki.amai

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