モノを持つより自由な時間を
《スーツケースはいつも軽めで必要なものだけ。物を持つことで人生を複雑にするより、私には、好きなことができる自由な時間のほうが大切です》
こう言う彼自身は、質素な生活で得た自由な時間を、妻とともに野菜を作ったり、花を栽培したりして過ごす。
「ムヒカ氏は、自らが質素な生活を送ることで、贅沢を戒め、この飽食の時代に警鐘を鳴らしています。それが、かえって共感を生んでいるのではないでしょうか」(前出の竹元氏)
前述の『Mr.サンデー』で、「今の日本について、どう思うか」の問いに、ムヒカ氏はこう言っている。《日本人は魂を失った。西洋の悪いところを真似して、産業社会に振り回されている。国民が本当に幸せなのか、疑問だね》日本人は、そのことに気がつかないふりをして、ここまできたのかもしれない。だからこそ、彼の言葉や生き様が心に響くのではないだろうか。
最後に、『世界でもっとも貧しい大統領ホセ・ムヒカの言葉』の最後のページに掲載され、読者から大きな反響があったムヒカ氏の言葉を紹介しよう。
《人生ではいろいろなことで何千回と転びます。愛で転び、仕事で転び、いま考えているその冒険でも転び、実現させようとしている夢でも転びます。でも、千と一回立ち上がり、一からやり直す力が、あなたにはあります》

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