4角を回ると内にポッカリと隙間が
そして、この彼の訃報から16日後に行われた「エリザベス女王杯」でパートナーを組んだのが、同じサンデーサイレンスを父に持ち、オーナー(近藤利一氏)も、調教師の先生(橋田満氏)も同じ、アドマイヤグルーヴです。
彼女にとっては、連覇のかかったレース。僕にとっては、01年トゥザヴィクトリー、02年ファインモーション、03年アドマイヤグルーヴに続く、同一GⅠ4連覇という偉業がかかったレースでもありました。しかし、それ以上に、アドマイヤベガにいい報告がしたい――そんな気持ちが強かったような気がします。
内ラチ沿いを走っていた彼女が4コーナーを回ったとき、最後の直線でインコースがポッカリと開いたのは、競馬の神様からのプレゼントか、それとも、亡くなったアドマイヤベガの後押しだったのか……力強く抜けだした彼女の強い伸び脚には、女王の風格が漂っていました。
今年、このレースで僕のパートナーを務めてくれるのは、GⅡ「府中牝馬S」を勝ったノボリディアーナです。松永昌博先生の、厩舎スタッフの、原田豊オーナーの、すべての関係者の、そして、ファンの方の喜ぶ笑顔を見るためにも、最高の騎乗をしたいと思います。

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