日本人力士期待の星【遠藤】大怪我を乗り越えて大相撲ブームの立役者が再始動!?の画像
日本人力士期待の星【遠藤】大怪我を乗り越えて大相撲ブームの立役者が再始動!?の画像

大相撲人気が凄まじい。今年の1月場所から7月場所まで、4場所連続して「15日間満員御礼」を続けた。これは、90年代の若貴ブーム以来という快挙である。
しかも、これまで相撲観戦者の3割は60代男性と言われていたが、昨年あたりから目立つのは20代の女性たち。このブームを牽引するのが、イケメン力士・遠藤だからだろうか。
遠藤は13年3月場所、幕下付け出しでデビュー。同年7月場所で十両優勝し、所要3場所という史上最速でスピード新入幕を果たした。あまりに出世が早いので髷が結えず、ザンバラ髪のまま土俵に上がる姿に多くのファンが「日本人横綱誕生」の予感を抱いた。
遠藤の得意技は左四つである。相撲評論家の三宅充氏が解説する。
「当たっておっつけ、上手前廻しを取って左を差し、頭をつけて前に出るという正攻法。ツボにはまると無類の強さを発揮します」
だが一方で、廻しの取れない突き押し相撲に弱く、「あの受け身がちの相撲のままでは怪我に繋がる」と危惧する声も多かった。15年3月場所5日目、その懸念が現実のものになる。当たりの強い松鳳山との一番で左膝に大怪我を負い、休場を余儀なくされた。
「全治2カ月の重傷ですから、普通なら次の5月場所は休場します。でも、この時点で西前頭9枚目、全休すれば、十両陥落は必至という状況でした」(相撲記者)
こうした状況下、遠藤は自ら強行出場を決断する。
「相撲の番付は負け越し数だけ順位が下がるのが目安なので、5勝以上なら、ギリギリ幕内に留まれると考えたようです」(前同)
この判断は成功する。怪我のため、ほとんど稽古をせずに臨んだ5月場所を6勝9敗にまとめ、幕内に留まることができた。
前頭12枚目という崖っぷちで戦う7月場所。怪我をする前の半分程度とはいえ、部屋の関取らと連日、稽古をし、本場所に臨んだ。
その6日目の一番で遠藤は気迫を見せる。相手は押し相撲の豊響。“平成の猛牛”と異名を取る巨漢に対し、鋭い立ち合いから前廻しを取ると、左を差して下手投げで破ったのだ。取り組み後、遠藤はこう語った。
「体が小さいので当たり負けしないようにしました」
結果、10勝5敗。幕内上位を狙える位置に戻った。
11月場所では前頭四枚目。冷静な判断と熱い気迫でどん底から這い上がった遠藤に、ファンはさらなる奮起を期待している。

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