ダメ虎は変わらず? 金本阪神が「必ず失敗する」これだけの理由の画像
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キラ星のような首脳陣を揃え期待を背に船出したアニキ丸。だが、その航海には多大なる困難が待ち構えているという。
ここ数年、優勝争いには絡むものの、終盤の失速で苦杯をなめてきた阪神タイガース。現状を打開するべく、アニキこと金本知憲新監督(47)が就任し、来季への期待が高まっている。
関西ローカルのマスコミなどは連日、金本フィーバーでお祭り騒ぎ。それもそのはず。就任したコーチ陣も、掛布雅之二軍監督(60)をはじめ、片岡篤史(あつし)打撃コーチ(46)、矢野燿大(あきひろ)作戦兼バッテリーコーチ(46)、今岡誠二軍打撃兼野手総合コーチ(41)など、85年、03年、05年優勝の立役者である元スター選手が中心。ファンからは歓迎され、専門家からの評価も高い。ただ、一方では前途を危ぶむ声もある。
「昨年、金本は阪神球団からのコーチ就任の打診を断っています。これは、今の段階でスタッフに名を連ねることが得策ではないと判断したからにほかなりません」(スポーツ紙デスク)
つまり金本監督自身、自らの手腕やチーム力などに不安を抱いているのだ。
「今年はチームから強く要請され、しかもコーチではなく『監督』ということで外堀を埋められ、引き受けざるをえない状況に追い込まれましたが、阪神の抱えるさまざまな問題が解決したわけではなく、楽観は許されない状況です」(前同)
実は、お祭り騒ぎの一因でもあるコーチングスタッフの豪華さにも問題がある。今回の人事で、高代延博前作戦兼内野守備走塁コーチがヘッドコーチ(61)となり、前ヘッドの平田勝男コーチ(56)がチーフ兼守備走塁コーチに“格下げ”。金本政権の目玉は、矢野作戦兼バッテリーコーチだが、高代、平田、矢野の3コーチの関係が“微妙”なのだ。
「矢野は金本と同じ大学の出身で、昵懇の間柄。シーズンに入れば、何かと金本が矢野を頼りにする状況が生まれるはず。そんなことが繰り返されれば、前ヘッド、現ヘッドとしては面白かろうはずがない。そこから不協和音が生じる可能性があります」(同)
また、掛布氏が二軍監督の座に座ったことも、微妙な空気を醸し出す。野球解説者の江本孟紀氏が指摘する。
「一軍の打撃コーチをするならともかく、掛布氏を二軍監督にする球団の意図が分かりません」
掛布二軍監督は、金本監督の大先輩で、生え抜きの「ミスタータイガース」。金本監督もスターだがそもそも「外様」。掛布二軍監督に対しては当然、遠慮がある。「一軍と二軍が話もしないという関係にはしない」と金本監督が、わざわざ口にしているのも不自然な話。金本監督と掛布二軍監督の関係に危うさがあるのだ。
その掛布二軍監督にしても、昨年、背番号なしのDCという肩書で若手を指導したとはいえ、正式にコーチングスタッフに名を連ねるのは今回が初めて。掛布二軍監督だけではない。金本監督、矢野コーチをはじめとして、指導者としての経験がない人物が6人も閣内に名を連ねていることも懸念材料だ。
「日本には指導者を育てるシステムがないのが一番の問題ですが、この点は不安ですね」(前出の江本氏)
その金本監督は就任早々、“厳しさ”を前面に打ち出してきた。ドラ1で交渉権を獲得した髙山俊外野手(22=明大)に対し、「練習は厳しい」と言明。秋季練習でも、チンタラしている若手にカツを入れるシーンが見られた。これは
「今まで通りでは勝てないことは分かっているので、チームを『変革』していかなければならない」(金本監督自身の言葉)
からこそ、打ち出した方針だが、「生ぬるい体質に、どっぷり浸かってきた今の選手たちが、厳しい練習についてこれるのか」(阪神OB)という疑念がある。
厳しい練習はチーム力の底上げも期待できるが、裏目に出る危険も秘めている、皆が鉄人ではないのだ。場合によっては、ケガ人続出、というケースもあり得る。金本監督は、パワーアップの具体的方策として、「ウェイトトレーニング」の重要性を強調している。
「たとえば、エースの藤浪晋太郎(21)にもウェイトトレーニングによる肉体改造の重要性を説いています。筋肉量を増やせば下半身が強くなり、コントロールも増し、腰のキレ、体幹も強くなるという理屈で、藤浪自身も3キロ増を目指しているといいます」(前出のデスク)
だが、特にピッチャーにはウェイトが、もろ刃の剣であるのはよく知られている。確かに、ダルビッシュ有や田中将大はそれで成功したが、巨人の澤村拓一投手など、うまくいっていないケースも多い。
「投手は微妙な筋肉のバランスでフォームを崩しかねないんです」(前同)
確かに金本監督自身がウェイトで力をつけたことは事実だが、それが万人にあてはまるかどうか……。

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