フロントの体質が最大の敵!?
来季の戦力についても、不安の種は尽きない。まず打撃陣では、マートン(34)の退団の穴は大きい。球団は代わりの外国人選手の獲得を目指しているというが、こればかりは打たせてみなければ分からないギャンブルのようなもの。
「ソフトバンクの松田宣浩(のぶひろ)(32)あたりを獲得できれば、マートンの穴を埋めてあまりありますが、パドレスや巨人との獲得競争に勝つ必要がある」(阪神担当記者)
結局、現有戦力の鳥谷敬(34)あたりに期待を寄せるしかないのだが、彼は元来、パワーヒッターではない。
金本監督は「物足りないですね。20本は打ってほしい」と言っているが、昨年6本塁打の鳥谷にそれは無理な話。全体を見渡しても、金本監督好みのパワーのあるバッターはいないのだ。「金本自身が打者に戻ればいい」という冗談が、冗談に聞こえなくなってくる。
先発投手陣は、藤浪、残留を決めたメッセンジャー(34)をはじめとして悪くないが、もう1、2枚欲しいところ。だが、新たな先発候補がいないのも問題。
抑えについては、阪神は他球団より堅いとされるのだが、来季抑え陣の崩壊が囁(ささや)かれている。安藤優也が38歳、福原忍も39歳と、多くを期待するのは酷だろう。呉昇桓(オスンファン)(33)の去就も定まっていない。突如、メジャーに行ってしまうことも考えられないでもない。
「あとは条件面といわれる藤川球児(35)の“復帰”が実現すれば、抑え不足はなんとか解消されるんですが、全盛期の力が残っているかどうか」(前出のデスク)
また、正捕手と呼べる選手がいないのも問題。
「今は、どのチームも捕手不足。梅野隆太郎(24)を育てていく以外にないでしょうね」(江本氏)
元捕手の矢野コーチが呼ばれた最大の理由も、そこにあるかもしれない。そして、番外として、実は最大の不安材料とも思われるのが、阪神という球団のフロントの体質である。
「人気優先が今回の金本新監督抜擢の主な理由ですが、調子が悪くなれば、簡単に首をすげ替えかねない“軽さ”がある。金本監督の目指す“変革”にはフロントの全面バックアップが必要不可欠ですが、急死した中村勝広GM以外のフロント陣が一新されていないのは、どうしても気になります」(前出のデスク)
場合によっては、金本監督一人が先走って、最後にハシゴを外されかねない危険性があるのだ。問題山積の金本阪神。だが、腕を骨折しても片手でヒットを打った鉄人のこと、これまでのように逆境に燃え、打ち勝ってくれることを期待したい――。

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