日本人力士期待の星【大輝】幕下付け出しの資格を失効させあえて選んだ前相撲からの人生の画像
日本人力士期待の星【大輝】幕下付け出しの資格を失効させあえて選んだ前相撲からの人生の画像

日本体育大学2年のときに遠藤を破って学生横綱に、3年時には国体横綱となり、幕下付け出しデビューの資格を獲得した大輝。
一方で、両親に悪いからという理由で、教職を取るために学業を全うさせる道を選択。1年という資格の有効期限を2度も失効させたというから、涙ぐましい。
その孝行息子・中村大輝も今春、大学を卒業、八角部屋の門を叩いた。そして、本名を四股名にして相撲人生をスタートさせたのだ。
大輝は3月場所で前相撲の初土俵を踏むと、一場所ごとに、序ノ口、序二段、三段目と着実に出世した。
7月場所までの戦績は13勝1敗。唯一、土をつけたのが、5月場所で序ノ口優勝を果たした宇良だ。
リベンジの機会は、すぐにやってきた。7月場所、序二段で、ともに7戦全勝の成績を収めた大輝と宇良は、優勝決定戦で再び相まみえることになった。
勝負は予想どおり、宇良が低い体勢からチャンスを掴もうとするのを、大輝が冷静にさばきながら対応するという展開に。最後は、土俵際で腰砕けのようになった宇良を押し出す形で、大輝に軍配が上がる。大輝は先場所のリベンジを果たすとともに、序二段優勝の栄冠をもぎ取った。
試合後のインタビューで大輝は、こう話している。
「宇良には序ノ口で負けているので、自分の相撲を取って、いい相撲にしようと思っていました。宇良は潜って潜って、引いても落ちないのでやりにくいんですが、自分のやってきたことを出して勝ててよかった。宇良とはこれからも当たるでしょうから、嬉しいです」
実は、大輝は御嶽海と同学年で、学生時代からのライバルでもある。
「この学生相撲出身の3人が切磋琢磨して、日本人力士の底力を見せてほしい」(専門誌記者)
という願いは、相撲ファン共通のものだろう。
9月場所は三段目36枚目に上った大輝だが、こんなところで足踏みしてもらっては困る。11月場所は幕下二十五枚目。順調に出世して、アマチュア時代の“横綱”の名に相応しい番付に上がってほしい。

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