網膜の毛細血管が詰まって…
眼とは関係ないようで、実は最も怖いのが、以下の兆候だ。
(10)血糖値が高い状態が続く
糖尿病は末梢神経障害や腎不全を招くとともに、眼の血管にダメージが及んで糖尿病網膜症を発症させるのだ。
「糖尿病は、血糖値が高い状態が続くことによって全身の血管がやられる“血管病”で、細い血管から先に症状が現れます。網膜の毛細血管が傷んでくると、眼に酸素と栄養を供給できなくなり、出血や血管の詰まりを繰り返し、ついには失明することも。糖尿病の増加は日本だけでなく、世界的な大問題です」(内科医師)
国際糖尿病連合が、世界の糖尿有病者数の推移と今後の予測を発表しているが、我が日本の場合では、2012年に711万人だった患者数が、2030年には1015万人にまで増えるという。
しかも、これは糖尿病と診断された人数であり、日本に約1400万人いるとされる糖尿病の前段階、いわゆる「糖尿病予備軍」は含まれていないというから恐ろしい……。これらの病気の治療や予防はできるのだろうか?
「慢性緑内障で眼圧が高い状態が続くときには、点眼薬や内服薬、ときには注射などで眼圧を下げますが、効果がないこともある。黄斑変性症や糖尿病網膜症で網膜の異常が進んだ場合、レーザー治療で出血を抑えることはできますが、視力が改善されるわけではないんです」(前出の眼科医師)
さらに、白内障の手術は広く普及してきているが、水晶体を取り除くことによって網膜が急激に老化し、黄斑変性症を発症する危険度が高まるという。

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