データ予想 須田鷹雄
マイルCSの前走別成績を過去10年振り返ると、トップに来るのは天皇賞・秋で〔51016〕。ステップレースになるべき富士Sから来た組は〔22144〕、スワンS組は〔14234〕となっている。勝率だけでなく、複勝率で比較しても天皇賞組のほうが上だ。
さらに勝ち馬こそ出していないが、毎日王冠組も〔0219〕で複勝率では富士SやスワンSを上回る。かといって、前走大敗馬の割合が、そう違うわけでもない。富士S組は49頭中約半数の24頭が前走6着以下、スワンSは41頭中16頭が前走6着以下。それに対し、天皇賞・秋組は22頭中15頭が前走6着以下なので、前走大敗馬の割合は天皇賞・秋のほうが高い。
にもかかわらず天皇賞・秋組のほうが結果を残しているのには、いくつかの理由が想像できる。中距離路線のほうが絶対的能力に勝る馬が多いという点が一つ。
もう一つは、スワンS組や富士S組のほうが、「GⅠでは能力が足りないが、他に選択肢がないから出る」という馬が多いこと。やはり、路線としてのレベルが中距離組のほうがマイル組より高いと考えるのが自然だ。
そこで、今回は横綱○モーリスが休み明けでも人気になるだろうが、◎イスラボニータから入りたい。
天皇賞・秋では8枠16番という不利を克服して3着。毎日王冠時は調教の内容がいまひとつだったが、それでも3着。皐月賞馬が完全に力を取り戻しつつあり、ここは地力勝負でもモーリスと渡り合えるだろう。
▲以下も中距離組を重視したい。▲は昨年の覇者ダノンシャーク。昨年は富士S7着からの参戦だったが、今年は毎日王冠4着から。臨戦過程としては今年のほうが買いやすい。自分で競馬を作れるタイプではなく展開待ちの面はあるが、流れ次第で上位に食い込む。
★は秋華賞からここへ回るレッツゴードンキ。行きたがる癖があるが、マイル戦の流れなら折り合いがつく可能性もあるし、桜花賞馬なのだからマイル戻りはプラスだろう。
■須田鷹雄 プロフィール
1970年東京都生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。大学在学中に競馬ライターデビュー。競馬以外のギャンブルも含めた「旅打ち」をライフワークとし、国内の全公営競技場を踏破した経験を持つ。

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