切れ味健在!橋下徹「最後のケンカ語録」

市長の任期満了までわずか。おのれの野望を果たすため後を託した2人の当選を狙い、政敵に噛みつきまくる。
大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長(46)が吠えまくっている。12月18日の任期満了に伴い、政界からの引退を表明している橋下市長にとって、今月22日投開票の大阪W選挙(府知事選・市長選)は、最後の戦い。そのせいか、街頭演説では完全にヒートアップ状態だ。
府知事選告示日の5日、橋下氏は支援する松井一郎現府知事の応援のため、難波の街頭に立ち、反維新で結束する自民、共産両党を痛烈に批判したのだ。まず、自身が府知事選に立候補した8年前を振り返り、「(あの頃の大阪府は)天下りがひどくて、借金だらけで首が回らず、教育環境もボロボロ。学力テストで大阪は全国でドベタの学力、体力テストもワースト1。普通、勉強できない子どもは運動できるもんなのに、どうなってるんですか!」と、今なお大阪が抱える問題を指摘。
「それを放置していたのが自民党から共産党までの、あの暗黒軍団の、デタラメやり放題のなれ合い政治ですよ」と自民、共産両党にケンカを吹っかけ、バッサリと斬って捨てたのだ。しかも、そのあと、「僕みたいなミサイル男がドカーンと爆発して暴れ倒して、改革をやって、壊しちゃいけないものまで壊し……やり過ぎはあったが、謙虚に言っても、少しは良くなったと思う」と自画自賛気味に橋下節を炸裂させた。8日には市長選の火蓋も切られ、橋下氏が支援する大阪維新の会・吉村洋文元衆院議員の応援で大阪市内を駆けずり回るようになると、まさに橋下氏“最後のケンカ節”が繰り出されていく。橋下氏の動向を取材するフリーランスライターの畠山理仁氏が、こう語る。
「橋下氏が選挙応援の際に必ず使う言葉が“自由共産党”。自由民主党と共産党を掛け合わせた言葉で、橋下氏いわく、“大阪の自民党、アレは自由共産党ですよ”と、今の呉越同舟ぶりを皮肉るや、聴衆がドッと沸く……そんな光景が繰り返されています」
なにしろ、「大阪都構想」を掲げた橋下氏には「自民、共産両党に潰された恨みがある」(府議会関係者)というのだ。

政治生命をかけた大阪都構想
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。「5月の住民投票で大阪都構想は否決され、その後、二重行政の解消に向けて府議会内に大阪戦略調整会議が設置されたものの、実態は、自民側が平気で欠席するなど、看板だけ。ところが、大阪維新の会の市議や府議は、都構想実現のために議員になっています。(彼らが政治活動を進めるためにも)都構想という看板は必要。そこで橋下氏は、彼らのために一肌脱ぐ覚悟を決めたんですよ」
また、政治理念である都構想が忘れ去られること自体、橋下氏自身の政治生命にも関わる一大事だ。「来年夏に予定される参院選挙もしくは衆参ダブル選挙に“国会議員として大阪都構想を実現する”という公約を掲げ、橋下氏が出馬する可能性は大。彼の政界引退発言をまともに受け止めている人は、この大阪には一人もいませんよ」(前出の府議会関係者)
そうなると、今回の選挙で橋下陣営としては「改めて都構想を争点とする戦略を取らざるをえない」として、前出の鈴木氏がこう続ける。「橋下氏はご存じの通りの名うてのケンカ上手。敵との違いを明確にし、世論を引きつける手法です。しかも、自ら出馬していれば、冷静に言葉を選ばないといけませんが、今回は援護射撃ですからね。本人としても言いたい放題言ってやろうという気持ちがあるんでしょうね。(選挙戦を見ていると)伸び伸びとケンカを吹っかけているように見えますね(笑)」
なにしろ、ネットでは『橋下徹に学ぶ喧嘩術』というページが生まれ、『橋下語録』(産経新聞大阪社会部)という本が出版されるほど。特に橋下氏が許せなかったのはやはり、大阪W選を目前にして、再び自民、共産両党がタッグを組んだことのようだ。「大阪市の中央公会堂で開かれた共産党系の集会『さよなら維新政治10・29府民大集合』に、自民党の柳本卓治参院議員が飛び入りであいさつしたんです」(全国紙政治部記者)
それだけではない。自民党推薦の市長候補で甥の柳本顕前市議と、知事選候補の栗原貴子府議(自民党推薦)の名を挙げ、「党派を超えてオール市民で、オール府民で、このダブル選をともに頑張ることを誓う」と宣言したというのだ。「その演説の後、柳本参院議員が壇上で共産党の山下芳生書記局長と、がっちり握手をしたんです」(前同)
だからこそ橋下氏も、両党への攻撃は容赦がない。記事冒頭の発言に続いて、街頭演説では、橋下氏が掲げた二重行政解消策を巨大なボードに掲げ、その1つ1つの政策を指示棒でバンバン叩きながら、「自民、共産に議論もなくバツにされた」と噛みつくや、やがて批判の矛先は民主党にも向けられた。

ライバル候補はこき下ろす!
橋下氏は自身のツイッターで、「(反維新陣営候補の)柳本氏・栗原氏は、対話と協調を強調する。しかし、自民党・民主党は、維新の二重行政・民営化改革案件に野党として徹底して抵抗した。修正案も出さずに否決の連続。これを僕だけが対立を煽ったという。ケンカは相手があるからケンカになる。相手が話し合いをするなら、こちらも話し合いをする」と訴え、売られたケンカは買うしかないとばかりに、街頭演説ではライバル候補者を攻撃の次なるターゲットに据えた。府知事候補の栗原氏に向けては、「(トレードマークの)赤い服ばっかり着て、どこまで共産党が好きなんだ」と揶揄。
市長候補の柳本氏についても、「共産党から支持の話があったとき、蹴らないといけなかった。共産党の支持を集めたら役所改革なんてできない。市民のためではなく、役所を守る政治なんですから」 とジャブを放ったのち、「(柳本氏は)紳士で、僕みたいに口悪くないけど、何言ってるか、分からない。言語明瞭、意味不明。民主や共産と一緒だから(政策の)結論を言い切れないんです」と強烈なストレートを繰り出した。また、大阪都構想に代わる案として柳本氏と栗原氏が推す“大阪戦略調整会議”を『大阪ポンコツ会議』とコケおろし、「こんな会議では100年経っても何も実現しない」と斬り捨てた。もはや誰も止められない舌鋒は、マスコミにも向けられる。
これまで『朝日』『毎日』と、大手新聞社へケンカを売ってきた橋下氏だが、大阪維新の会に批判的な社説を掲載した『読売』に対しても、「読売も最近、反維新でおかしい。社説で“橋下はダブル選で何を問いたいのか”って。バカかっ!?」と批判した後、ダブル選挙では改めて都構想の是非を問いたい旨を述べた後、「読売の論説委員、分かったか、この野郎!」と挑発していた。
「橋下氏のマスコミ批判は街頭演説でも盛り上がるシーンのひとつ。橋下氏が“(テレビなどの)バカなコメンテーターに、どうしてもひと言いっておきたい”と言うや、すかさず、聴衆の中から“ほんまに、ひと言でええんかッ!”という声があがって、他の聴衆がこれまた、どっと沸く。橋下氏の演説は1時間と長めですが、このようにエンタメ性や笑えるポイントがあって、面白いんです。ライバル陣営の演説より、人が集まっているのは確かですね」(前出の畠山氏)
“ケンカ口上”ますます冴えわたるといったところだが、維新陣営が惨敗するのか、はたまた大勝利を収めるのか。大阪府民にとって、11月22日はXデーだ!

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