昼の帯番組『バイキング』が『ヒルナンデス!』に絶対勝てない理由の画像
昼の帯番組『バイキング』が『ヒルナンデス!』に絶対勝てない理由の画像

 平日昼の帯番組に関する話題と言えば、いつもフジテレビ『バイキング』の低視聴率っぷりばかり。不調の原因は番組自体のクオリティにもよるかとは思いますが、裏番組である日本テレビ『ヒルナンデス!』の好調ぶりも大きな影響を与えているように見受けられます。では、なぜ『ヒルナンデス!』がここまで強いのでしょうか?

 『ヒルナンデス!』の特徴は、グルメやファッション、最新スポットなどに関する充実したロケ企画を中心に番組を構成しているところ。そして、注目すべきはそのロケの内容にゴールデンや深夜番組にも劣らない、「バラエティ的本気度」の高さが伺える点なのです。

 主婦層がメインターゲットとなる昼の時間帯の番組で、まず重視されることは「情報面の手厚さ」でしょう。「笑い」は二の次で良いわけです。笑いは取れなくても、タレントは情報を伝え、華を添えてさえいれば十分です。

 しかし、『ヒルナンデス!』は違います。むしろ、情報の手厚さよりも笑いを重視しているのです。象徴的なのが、火曜レギュラーのHey!Say!JUMP・有岡大貴さんの食レポ。正直、有岡さんは食レポが下手。以前、ピーターラビットカフェのロケでサラダを試食した有岡さんは、野菜の歯ごたえについて「シナシナとシャキシャキの間」と表現したことが……。「シャキシャキ」だけでいいじゃない、「シナシナ」はどう考えてもアウトでしょ、と思わずテレビに突っ込んでしまいました(笑)。

 情報を重視する番組ならば、このようなコメントは撮り直すのでしょうが、『ヒルナンデス!』では積極的に使ってしまいます。だって面白いんだもの。まさに『ヒルナンデス!』でしか成立しない食レポなのです。

 ちなみに、ロケは下手でも、天然キャラのタレントが番組にハマるところも『ヒルナンデス!』が面白い理由の1つ。そのせいか、逆に水曜レギュラーの小島瑠璃子さんや木曜レギュラーの関ジャニ∞・村上信五さんのような、器用で優等生タイプのタレントは、番組と相性がよくないように感じられる場面すらあるほどです。でも、優等生が優等生ぽくふるまえないあたりもまた『ヒルナンデス!』らしくて面白い。さらに『ヒルナンデス!』は、スタッフの編集技術もかなり優秀です。笑いが足りないと感じる時は、ナレーションで毒舌の要素を足したり、タレントのコメントを途中で潔くカットする小技も使ってきます。

 しかし、そんな昼の時間帯の絶対王者とも思える『ヒルナンデス!』にも弱点が……。他の曜日に比べて、月曜日に「笑い」が薄いのです。昨年から博多華丸・大吉が月曜レギュラーとなりましたが、おそらくこれはテコ入れ。月曜レギュラー陣において視聴者が求めている笑いを生み出せていると言えるのは、その博多華丸・大吉だけではないでしょうか。

 最近、隔週ですが金曜レギュラーに陣内智則さんが加わりました。これで金曜日は久本雅美さん、有吉弘行さん、そして陣内さんと、ゴールデンの番組を仕切るほどの技量があるタレントが3人もそろうことになります。

 これはさすがに戦力過多。できれば誰か一人、もしくは二人、月曜へ異動してほしい! そうすれば『ヒルナンデス!』が昼の絶対王者であり続けることができるはずなのです。

兼業主婦レオ子ポン
元雑誌編集者で、現在はフリーライターとして活躍している一児の母。趣味はパチンコと三代目J Soul Brothers。暇とあらばテレビに張り付く根っからのインドア派で、好きな番組は『ヒルナンデス!』。

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