データ予想 須田鷹雄
正直なところ、今年のジャパンCにおける日本調教馬の層は厚いとは言えない。
ゴールドシップは宝塚記念でスタートの失敗があった直後であるうえに、東京コースは不得手。ラブリーデイは充実期にあるものの、2400メートルは距離適性の上限に近い。本来ならば外国馬にチャンスの年だ。
しかし、遠征慣れしていて相手なりに走るフリントシャーが回避し、来日を予想しているメンバーを見ても、これはという馬はいない。あえて選ぶなら△ナイトフラワーだろうか。早くから来日を決めていたようだし、本気度はあると思う。
ジャパンCの外国馬は何より本気度重視というのは、昔からのセオリーだ。ただ、時計への対応力などを考えると、馬券の中心に据えることはちょっと難しい。あくまでヒモの1頭だろう。
◎はミッキークイーン。この舞台で3歳牝馬を推すというのは度胸がいることだが、前述したように今年のジャパンCはメンバーのレベルが高いとは言えない。前走の秋華賞におけるミッキークイーンは、京都内回りのコース形態を意識して、いつもより積極的な形で競馬を進め、上がり3Fのタイムは4位タイながらきっちり勝ってみせた。
ジャパンCは前走上がり1位の馬が意外と強くはなく、一方で3~5位くらいながら着順は良かったという馬が良い結果を出している。東京競馬場に替わるので最後方で構えても大丈夫だろう……という戦法を取ってしまうと追い込みきれない危険はあるが、オークスにしても3角では9番手。そのくらいの位置取りからなら十分に届く。
○にラブリーデイ。もともとは平均ペースの中距離戦を得意としていた馬だが、ここ3戦はスローな流れをすべて制してみせた。対応力の幅が広がっている印象だ。今ならば距離も意識しないでいいかもしれない。
▲にショウナンパンドラ。ここ3走すべて一線級の牡馬相手に掲示板に載ってきた。この成績なら「牝馬だから……」などと言う必要はない。直前の気配次第では、さらに印を上げることも検討したい。
★にサウンズオブアース。他の馬と違って天皇賞・秋を使っていない分、状態面で余裕が出る可能性がある。東京での好走歴はないが、重視したい1頭だ。
■須田鷹雄 プロフィール
1970年東京都生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。大学在学中に競馬ライターデビュー。競馬以外のギャンブルも含めた「旅打ち」をライフワークとし、国内の全公営競技場を踏破した経験を持つ。

本日の新着記事を読む